皆さんこんにちは!元公務員のろびんそんです。
公務員の皆さんであれば、年休が繰り越せることは知っていると思いますが、
- 年休の繰り越しは1日単位?時間単位?
- 繰り越した年休はいつ消滅する?
- 消滅する年休は買い取りできる?
といった細かい部分は知らない方が多いはず(特にお若い方)。
そんな方に向けて、この記事では公務員の年休の繰り越しについて詳しく解説していきます!
この記事を書いた私は元公務員。
法令を根拠にしつつも、自分の経験も交えて分かりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
公務員の年次休暇の「繰り越し」とは?
まずは年休の繰り越しの概要から。
公務員は通常、1年で20日の年休が付与されます。
多くの人は年休をフルで消化できずに余らせてしまうわけですが、使い切れずに余った分の年休を翌年に繰り越せるのが年休の繰り越し制度。
ちゃんと法律で定められている制度なんです。
2 年次休暇(この項の規定により繰り越されたものを除く。)は、人事院規則で定める日数を限度として、当該年の翌年に繰り越すことができる。
出典:一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律より引用
繰り越せる年休の日数は、通常20日まで。
日単位ではなく時間単位で繰り越せる場合が多いですが、分単位での繰り越しができる自治体もあります。
年休が繰り越されるタイミングは1月か4月。
年休のカウントの仕方が、
- 年(1月1日~12月31日)
- 年度(4月1日~3月31日)
これら2つどちらの方法かで変わってきます。
「年」カウントの場合は1月に繰り越し分の年休が付与され、「年度」カウントの場合は4月に付与される、ということ。
新たな年休20日が付与されるタイミングで、昨年使い切れなかった年休も併せて付与されます。
昨年使い切れなかった年休が10日の場合、20日+10日=30日が1月(or 4月)にまとめて付与される、といった感じです。
繰り越した年次休暇っていつ消滅する?
繰り越しができる年休ですが、翌年度、翌々年度、翌々翌年度・・・と永遠に繰り越せるわけではありません。
年休の繰り越しは翌年までなので、翌々年には消滅します。
例を見ていきましょう。
【例】
前年からの繰り越し分 | 今年の分 |
10日 | 20日 |
今年取得できる年休は、10日+20日=30日。
30日取得できますが、30日のうち10日は繰り越し分のため、今年使わなければ来年消滅します。
今年の年休取得日数が8日だったとすると、来年へ繰り越せるのは20日。2日はドブに捨てることに。
何かあったときのために年休をガシガシ使いたがらない公務員が多いですが、大事に大事に取っておいた年休をドブに捨ててしまうことも多いのも事実です。
繰り越し分の年休がある場合、システム上では原則として繰り越し分の年休から消化されていきます。
なので、繰り越し分の日数さえ消化できればドブに捨てることにはなりません。
【注意】年休の「買い取り制度」は存在しない
使い切れない有給休暇を買い取る、というのを巷でよく聞きますよね。
有給休暇を買い取るのは原則違法となりますが、使い切れない有給休暇であれば買い取りは認められています。
が、これは公務員の場合通用しません。
公務員には年休の買い取り制度は存在しないことを覚えておきましょう。
年休は翌年まで繰り越しができますが、翌々年以降の繰り越しはできません。
買い取り制度も存在しないので、翌々年になったらドブに捨てることに。
大事な年休を無駄にしないためにも、積極的に年休を使っていきましょう。
損をしない有給休暇の取り方
年休が永遠に繰り越しできなかったり、年休の買い取り制度がなかったり、年休をいかに上手く・計画的に取るかが重要となります。
そして公務員には、年休だけでなく育児系や介護系の休暇(ここでは「特休」といいます)が付与されることも忘れてはいけません。
年休と特休を組み合わせることで賢く休むことができます。
年休の残日数が少なかったことも多かったことも両方経験した私がオススメする、損をしない有給休暇の取り方は・・・
年休(繰り越し分)→ 特別休暇 → 年休(今年付与分)
この順番で消化していくのがオススメ。
繰り越し分の年休は、消滅してしまう割にたくさん余っている人が多いからです。
繰り越し分の年休の次は特別休暇。
特別休暇は大きく分けて、育児系、介護系、病気系の3種類があります。
育児・介護・治療などの目的がある場合は、繰り越し分の年休を使い切ってから特別休暇で休むと、年休をドブに捨てる心配は無くなります。
まとめ
公務員の年休の繰り越しについて解説しました。
- 使い切れなかった年休は、翌年へ繰り越しできる
- 繰り越しできる日数は20日が上限
- 翌々年以降に年休を繰り越すことはできない
- 使い切れなかった年休の「買い取り制度」は存在しない
- 年休(繰り越し分)→ 特休 → 年休(今年付与分)の順で使っていくのがオススメ
公務員の充実した休暇は年休だけではありません。
病気休暇や結婚休暇などの休暇についても【取り方】や【取りやすさ】を解説していますので、ぜひご覧ください↓↓