こんにちは!元公務員のろびんそんです。
女性公務員のほぼ全員が「生理休暇」を知っていても、実際に取得したことのある人は少ないですよね。
私は元県職員でしたが、生理休暇を取得したことは1回もありませんでした。
私のように1回も取得したことがない職員が多い中、何度か取得したことがある同僚も。
「取得しづらい」と感じる人、取得するのに抵抗がない人、両者の意見・エピソードも織り交ぜながら解説していきます!
- 生理休暇で取得できる日数は?
- 生理休暇を取るのに診断書はいる?
- 生理休暇の取得率が悪いのはなぜ?【3つの理由】
- 今後の生理休暇は変わっていく?
公務員の「生理休暇」とは?
公務員の「生理休暇」とは、女性職員が生理の日で勤務できない時に取得できる休暇。
国家公務員では人事院規則で、地方公務員は各自治体の条例で定められています。
(生理日の就業が著しく困難な女子職員に対する措置)
出典:人事院規則一〇―七(女子職員及び年少職員の健康、安全及び福祉)より引用
第二条 各省各庁の長は、生理日の就業が著しく困難な女子職員が休暇に関する法令の定めるところにより休暇を請求した場合には、その者を生理日に勤務させてはならない。
制度上は生理のたびに取得できることになっています。生理が毎月のものであることを考えると、年間でまあまあの日数が休めますよね。
公務員の生理休暇は有給休暇の1つなので、休みを取得した日は給料が100%発生※し、女性公務員にとっては嬉しい休暇制度。と言いたいところですが、嬉しい休暇制度と思っている女性職員は少なめ。※有給扱いの日数には上限があります
生理休暇の日数・取り方だけでなく、「女性に嬉しい休暇制度」とは言えない理由も記事の後半で解説します。
生理休暇の日数と取り方
生理休暇の日数
国家公務員の場合、取得できる日数は「必要最小限度の期間」とされています。具体的に○日と定められている訳ではありません。
地方公務員の場合、取得できる日数は1回の生理につき2日や3日としている自治体が多く、連続した日である必要があります。
有給扱いの日数には上限があるので注意。
2日(または3日)を超えて休むこともできますが、無給になります。有給扱いの日数を超えて休む際、病気休暇(診断書が必要)へ切り替えることができる自治体もあります。
生理休暇の取り方
生理休暇を取得するときは、上司に申請→承認してもらうことで取得できます。診断書などの提出書類は特にありません。
休暇の取得方法としては、複雑には感じないですよね。むしろ診断書が不要なので取得ハードルは低いはず。ですが、生理休暇の取得率はとても低いんです。
生理休暇が取得しづらい・・・と感じるのは何故なのでしょうか。
やっぱり生理休暇は取りづらい!取得率が悪い理由とは?
生理休暇が取得しづらいと感じる女性公務員は多いです。
生理痛がつらくても、生理休暇を選択しない理由の多くは以下の3つ。
- 上司が男性だと申請しづらい
- 周りで取得している人が少ない
- 「休むほどではない」と思ってしまう
それぞれ解説していきます。
上司が男性だと申請しづらい
取得しづらいと感じるほとんどの方は、上司が男性で申請しづらいと思っています。
「生理休暇」という名前も名前ですからね。
私も公務員時代に生理休暇を申請しなかった理由は、上司に申請しづらいから。
男性の上司に「いま自分は生理です!」と伝えているように思えて、抵抗がありました。
私の場合、自分が生理であることを言えたのは、同年代の女友達や喋りやすい女性の同僚くらい。上司が女性のときでさえ生理休暇は申請できませんでした。
上司に申請しづらいと感じる女性公務員の気持ちは大変よく分かりますが、中には「あんまり気にしないかな~」と生理休暇を何回か取得していた女性公務員もいました。
気にする・気にしないの世界ですが、気にする派の方が圧倒的に多かったですね。
周りで取得している人が少ない
取得しづらいと感じる理由で2番目に多いのが、周りが取得していないから自分も取得しづらいという理由。
生理休暇は、公務員でも取得率が低い休暇。
女性公務員がもっと生理休暇を取る環境下であれば、取得しようと思える人もいますよね。
周りの女性たちは生理でも我慢して出勤しているから、自分も我慢しなきゃ。
周りが取得していないと、たとえ生理痛が重くても出勤する女性公務員は多いです。
「休むほどではない」と思ってしまう
「生理痛があるものの、休むほどではない」と思ってしまう女性公務員も多いです。
ギリギリ我慢できるくらいの生理痛であれば、何とか耐えて出勤する人が多いのではないでしょうか。
しかし、生理の苦しみは本当に個人差が大きいです。
一口に生理痛といっても、何となくお腹が痛いかも?くらいの人もいれば、激しい腹痛で失神してしまう人もいます。
たとえ救急車を呼びたいくらい痛くても、「たかが生理。病気ではないし、休むほどでもない」と思う人さえいます。
「生理休暇」という名称は今後変わる?
生理休暇が取得しづらい理由でも解説しましたが、「生理休暇」という休暇の名称だから取得しづらいと感じている女性公務員もいます。
生理休暇の名称問題は私が新人の頃からあったので、今になって問題となっている訳ではありません。
しかし、現在でも多くの自治体が「生理休暇」としています。今後、生理休暇の名称が変わる可能性はあるのでしょうか。
一部の自治体では、生理休暇の名称を既に変更しています。札幌市では生理休暇の名称を「健康管理休暇」へ変更しました。
他の自治体でも、組合活動などで生理休暇の名称変更を求める声がずっと上がっているので、今後生理休暇の名称が変更される可能性は十分あると言えます。
まとめ
公務員の生理休暇について解説しました。
- 「生理休暇」とは、女性職員が生理の日で勤務できない時に取得できる休暇
- 取得できる日数は「必要最小限度の期間」や2~3日とされているが、有給扱いの日数には上限がある
- 生理休暇の申請には診断書は不要で、上司に申し出るのみ
- 生理休暇が取得しづらい理由として、上司が男性で申請しづらい、周りで取得している人が少ない、「休むほどではない」と思ってしまう
- 今後、生理休暇の名称が変わる可能性は十分ある
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