こんにちは!元公務員のろびんそんです。
理系の学部だと、就職先として研究開発系の職種を選ぶ人が多いですよね。
国立大学や有名私大ともなると、大手企業に就職する人も。
そんな中、公務員を就職先として考えている人は・・・
理系なのに公務員って、もったいないのかな?
と悩んでしまいますよね。
この記事では「理系で公務員はもったいないのかな?」という悩みを解決すべく、
- 理系で受験できる公務員の種類
- 理系から公務員になると、もったいないこと
- 理系でも公務員になって良かったこと
を中心に解説していきます。
私も皆さんと同じ理系学部出身。そして新卒で公務員に。
私自身の経験も交えて解説していきますので、採用パンフには書かれない厳しい現実もお話しします。
この記事を読めば、理系から公務員になってもorならなくても後悔しない選択をすることができますよ!
理系が受験できる公務員の種類は?
まず、理系が受験できる公務員の種類を見ていきましょう。
意外にも多くの職種を受験できますよ◎
技術系の職種でなくても受験できることが多い!
理系から公務員になろうとすると、真っ先に考えるのが技術系の職種ですよね。
技術系の職種の公務員は理系出身がほとんど。
そのイメージが先行して理系=技術系の公務員と思ってしまいがちですが、実は違います。
理系でも、文系の職種を受験することは可能なんです。
受験資格を見てみると、文系の職種は文系出身しか受験できないなんて書かれていませんよね。
受験資格
出典:国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)|国家公務員採用情報NAVIより引用
1 1994(平成6年)4月2日~2003(平成15)年4月1日生まれの者
2 2003(平成15)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
法律や経済系に興味がある人は、文系の職種も見てみると視野が広がりますよ。
技術系の職種の公務員
理系で公務員になる王道は、やはり技術系の職種。
一口に技術系の職種といっても、本当に多くの職種が存在します。
- 土木
- デジタル・電気・電子
- 機械
- 建築
- 物理
- 化学
- 農学
- 農業農村工学
- 林学
- 栄養士
- 薬剤師
募集人数が多い職種は土木職。最近だとデジタル系の職種の採用数も増えてきています。
ですが、技術系の職種でよくあるのが募集人数の少なさ。
国家公務員ではまとまった人数を採用してくれますが、地方公務員だと募集人数は「若干名」と書かれている場合もあります。
ちなみ私は農学で受験。国家一般職では募集人数が200名くらいでしたが、県庁では5~10名でした。
試験の手応えはあっても、合格できるか最後までヒヤヒヤしていましたね。
技術系の職種で受ける場合は、必ず募集人数をチェックしましょう。
技術系でない職種の公務員
少数派ではありますが、理系でも技術系でない職種を受験できます。
- 行政
- 事務
- 政治・国際・人文
- 法律
- 経済
- 国税専門官(法文系)
- 財務専門官
技術職では募集人数という壁がありましたが、技術職でない職種はキホン募集人数が多いです。
国家公務員一般職だと、行政職だけでも800名近くを募集しています。技術職と全然違いますよね。
ですが、理系出身者は法律や経済の知識を持っていないことがほとんど。
法律や経済の知識がある程度もっている文系よりも、試験勉強するときに苦労します。
行政系の職種の過去問をいったん見てみて、行政系の職種にチャレンジする覚悟を決めてから受験するのをオススメします。
理系で公務員はもったいない?
理系が公務員になると、もったいないと思ってしまうのは以下の3つ。
- 民間企業の研究開発職より給料が低い
- 大学での勉強が、意外にも活かせない
- 院卒でも学部卒と同じ仕事内容になりがち
それぞれ説明していきます!
民間企業の研究開発職より給料が低い
理系出身だと、民間企業では研究開発系の仕事をしたいと考える人が多いですよね。
民間企業の研究開発系の仕事は、残業が多いのもあって給料が高いです。
民間企業でも大手のメーカー系ともなるとボーナスもたくさん貰えます。
大手企業で研究系の仕事をしている友人の給料を聞いて、地方公務員だった私は驚き。
給料が高いぶん、仕事は過酷そうでしたが・・・。
公務員にも研究系の仕事があって、一般的な行政職の給料よりも若干高くなります。ですが、研究系だとしても公務員は民間企業には敵いません。
さらに、公務員では2~3年おきに異動があります。
せっかく研究系の部署に入ることができても、2~3年後には文系の人と同じような仕事をする可能性もあります。
研究系の仕事から降ろされると給料も一般的な給料と同じになって下がるので、民間企業の研究開発職を続けている人をうらやましく思ってしまうことも。
大学での勉強が、意外にも活かせない
職種にもよりますが、私が地方公務員になったときに思ったのがこれ。大学で学んだことが意外にも活かせないことです。
私は、農学部を卒業して農業職で県庁に就職。
配属された部署は農業系の部署でしたが、大学で勉強したことが意外にも活かせなかったと感じましたね。
就職後にたくさん現場をまわった経験が、いちばん仕事に活きてきます。
公務員の技術職を目指す理由として「大学で学んだことを活かしたい」と挙げる人が多いですよね。
大学で勉強したことを活かしたい!という気持ちが先行してしまうと、公務員になってから「なんだかイメージとちょっと違うな」と思ってしまいます。
大学で学んだことではなく、現場をまわって付けた知識を仕事に活かそうとするのが良いですよ◎
院卒でも学部卒と同じ仕事内容になりがち
理系だと大学院まで行く人が多く、学部卒の人たちよりも専門性がより高い部署に行きたいですよね。
ですが公務員の場合、院卒・学部卒関係なく配属先が決まることが多いです(院卒職種のみの部署がある場合もあります)。
学部卒の人でもいきなり研究系の仕事をすることもあれば、院卒の人が補助金の事務をすることもあります。
院卒の人専用のポストがある民間企業もありますので、研究系の仕事をさせてもらえない院卒の公務員はモヤモヤしてしまいますよね。
理系から公務員になって良かったこと
理系でも公務員になって良かったと感じることはあります。
- 有給休暇が取りやすい
- 文系の人と同じ部署で働ける
- 安定と社会的信用が最強
それぞれ解説していきます!
有給休暇が取りやすい
公務員は本当に有給休暇が取りやすいです。
上司にあたる年代の人でも積極的に有給休暇を取っています。
部下があまり有給休暇を取っていないと「休み○日以上とってよ~」と言われるくらい。
私は残業が少ない部署への配属が多かったのもあって、1年間で20日くらい有給休暇を取っている年度がほとんどでしたね。
ヒマすぎて35日とった年度もあったくらい。
休みが取りやすい上に、色んな有給休暇があるのも公務員のメリット。
たくさん休めるのは、理系でも公務員になってよかった!と感じる大きな理由です。
文系の人と同じ部署で働ける
文系(事務系)の人と同じ部署で働くこともあります。
事務系の人と同じ部署ということは、専門性が高い部署ではありません。
ですが、事務系の人から教わることも多いのが事実。
技術系と違って、事務系の人は幅広い分野を渡り歩いている人たちばかりです。
事務系の人には、技術系の自分が知らない分野の知識をたくさん持っています。
事務系の人と一緒に働くことで、技術系の自分では知り得なかったことを教えてくれたりしますよ。
特に税金の話は、ためになりましたね。
事務系の人は税金や法律の話にとても強いです。
安定と社会的信用が最強
やっぱり最強なのは、安定した雇用と収入があって社会的信用が高い職業という点。
公務員はよっぽど大きな犯罪をしなければ解雇になることもありません。
そして、年齢が上がると年功序列で給料も上がっていきます。
公務員というだけで住宅ローンが組みやすかったり。
安定していて社会的信用の高い公務員ならではの恩恵がたくさんあります。
公務員になりたての頃はあまり恩恵を感じませんでした。でも、民間企業に就職した同級生と話をしてみると、改めて公務員の良さを実感できましたね。
まとめ
理系で公務員という選択はもったいないのか解説しました。
- 理系の人は、技術職だけでなく事務系の職種も受験できる
- 【理系から公務員はもったいない1】民間企業の研究開発職より給料が低い
- 【理系から公務員はもったいない2】大学での勉強が、意外にも活かせない
- 【理系から公務員はもったいない3】院卒でも学部卒と同じ仕事内容になりがち
- 【理系でも公務員で良かった1】有給休暇が取りやすい
- 【理系でも公務員で良かった2】文系の人と同じ部署で働ける
- 【理系でも公務員で良かった3】安定と社会的信用が最強
理系でも、民間企業から公務員へ転職してくる人もたくさんいます。
なんとなくで「理系で公務員はもったいないのかな」と思わず、理系から公務員になるメリットとデメリットを比較してみましょう。
じっくり考えた上で出した結論なら、後悔しないはずです◎