こんにちは!元公務員の ろびんそん です。
技術系公務員のなかでもマイナーな職種である「農業職(あるいは農学職)」。
試験対策やオススメの参考書を調べても、なかなか情報が出てこないですよね。
予備校の講座は行政職ばかり。農業職で受ける人はどうやって勉強したらいいの?
と、悩む受験生も多いのではないでしょうか。
そんな方にむけて、この記事では農業職の勉強のやり方・オススメの参考書を、超くわしく解説していきます!
- 受験案内を熟読して、まずは戦略(=勉強計画)を立てる
- 農業職の専門試験の対策は、過去問集からはじめよう!
- 農業職の専門試験でそのまま出た?!オススメの参考書
- 【農業職のひと専用】教養試験の勉強のやり方
- 他の受験生と差をつけるための面接対策
- 論文試験はどうやって対策すればいい?
この記事は【地方上級】で受ける人むけの内容となっています。
国家公務員試験にも通用するノウハウはありますが、100%ではありません。
国家公務員試験のほうが志望度高めのひとは、以下の記事もご覧ください↓↓(上の記事が【国家総合職】、下の記事が【国家一般職】です)
この記事を書いたわたしは元公務員。公務員試験はすべて農業系の職種で受けました。
【合格実績】
国家公務員(総合職):最終合格 → 農林水産省から内定
国家公務員(一般職):最終合格
地方上級(県庁):最終合格 → 就職
私が受験したときに
- この対策は、やっといて正解だった!
- もっと○○の対策をしていれば、さらに点数が伸びたかも
といった体験談をもとに、勉強計画の立て方からオススメの参考書まで、網羅的に解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
受験案内をよく読んで、勉強計画を立てる
公務員試験を農業職で合格するためには、まずはじめに受験案内をよく読んで、勉強計画を立てることが重要です。
とくに、地方上級の公務員試験は、自治体によって試験方法も配点比率も異なります。
独自の加点制度がある自治体もあるくらい。
受験案内を読むことで、どんな科目を重点的に勉強すればいいのかが見えてくるので、勉強をはじめる前に必ず直近の受験案内を確認しておきましょう。
受験案内をみるときは、以下の5つのポイントを意識するのがオススメ。
- 試験日程
- 試験方法(教養試験・専門試験・面接など)
- 出題分野
- 加点される資格(語学資格やIT系の資格など)
- 配点比率
それぞれ詳しく解説していきます。
試験日程
1つ目に見るべきは試験日程。
試験日程をみる目的は、
- 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てるため
- 1次試験と2次試験のそれぞれで実施される試験科目を把握するため
の2点。
例えば、小論文試験が2次試験となっているのに「試験日の1年前から小論文対策を徹底的にやっていくぞ!」なんてことはしないですよね。
2次試験の科目であったり、配点比率が低かったりする場合は、1次試験が終わってからの対策でOK。
こういった戦略を立てるためには、試験日程を正確に把握しておくことが大事です。
受ける自治体の受験案内を、必ず確認しておきましょう。
試験方法(教養試験・専門試験・面接など)
2つ目に見るべきは、試験方法(教養試験・専門試験・面接など)です。
自分が受ける自治体が、教養試験だけなのか、教養も専門もあるのか、などを確認しておきましょう。
試験方法は自治体によって大きく異なります。
ここでは、長野県と三重県を例に、解説していきます。
2023年度の採用試験では、教養試験が撤廃され、1次試験は専門試験と論文試験のみとなりました(技術職種に限る)。
※参照:【参考】2023年度長野県職員採用試験等受験案内
2023年度の採用試験では、教養試験としてSPIが実施されています(一部の職種に限る)。
※参照:三重県職員採用のご案内
試験方法は、今後さらに変わっていく可能性もあります。
試験方法によって、勉強のしかたが大きく異なるので、受ける自治体の試験方法は必ず確認しておきましょう。
出題分野
3つ目に見るべきは、出題分野です。
農業職だと「作物学」「園芸学」といったものが出題分野にあたりますね。
自治体によっては、「作物学:5問」のように、出題数まで書いてあるところもあります。
受験案内のなかに出題数が書いてある場合は、
- 出題数の多い分野をメインで勉強する
- 出題数の少ない分野は「箸休め」ぐらいの勉強とする
と戦略を立てます。
反対に、出題数が書いていない場合は、市販の過去問集にのっている出題情報をみて、分野ごとに優先度を決めましょう。
一般的に、地方上級の農業職では、畜産と農業経済は出題数が少ない傾向にあります。
ちなみに、わたしは畜産を完全に「捨て科目」とし、農業経済は白書※の一部を読むだけとしていました。
※わたしは国家総合職も併願していたのもあり、官庁訪問の対策として白書の一部を読んでいました(白書以外で農業経済の対策は一切しておりませんでした)。
国家公務員を併願するひとは、白書を読んでおくと、筆記試験と官庁訪問の両方の対策になりますよ◎
畜産を完全に捨てたぶん、作物学などの出題数が多い分野の勉強に、時間を割くようにしていました。
専門科目すべてを完璧に仕上げるのではなく、優先順位をつけて勉強をすると、努力がムダになりにくいのでオススメです。
加点される資格
4つ目に見るべきは、資格による加点があるかどうか。
地方公務員試験も、国家公務員試験と同じように、持っている資格が加点される場合があります。
以下は、長野県の採用試験の事例です↓↓
2023年の長野県の採用試験では、TOEICなどの英語資格だけでなく、中国語・韓国語の資格も加点対象。
そして語学系の資格だけでなく、基本情報技術者試験などの情報処理系の資格も加点対象となっています。
※参照:【参考】2023年度長野県職員採用試験等受験案内
加点対象となる資格をもっていることはアドバンテージになりますが、加点のためだけに勉強するのはオススメできません。
語学系や情報処理系の資格試験は、すこし勉強すれば合格できるものではないからです。
大幅に加点される訳でもないので、加点対象の資格をもっていたらラッキー!くらいの感覚でいましょう。
大学1年生など、公務員試験までに時間がある人であれば、加点対象の資格を勉強するのはアリ。
公務員試験の対策だけでなく自己研鑽にもなるので、自分の可能性を広げることができます。
配点比率
5つ目に見るべきは、配点比率です。
5つ目として挙げましたが、配点比率はものすごく重要。
配点比率をみることで、教養試験・専門試験・面接試験・論文試験などのうち、総合点に色濃く反映されるものが分かります。
総合点に色濃く反映される科目がわかると、重点的に勉強すべき科目もわかりますよね。
勉強をはじめる前に、必ず配点比率をみておきましょう。
ちなみに地方上級では、面接試験の配点比率が高いパターンが多いです。
面接のつぎに配点比率が高いのが、専門試験であることが多いです。
面接と専門試験の配点比率が高いパターンでは、面接と専門試験の対策をしっかり行うことが合格への近道となります!
配点比率を確認して、重点的に勉強すべき科目をしぼっていきましょう。
【農業職】専門試験の対策は過去問集から!
つづいて、専門試験の勉強のやり方について解説します。
地方上級を受けるひとは、以下のやり方で専門試験の勉強をするのがオススメ。
- 過去問集を解いてみる
- 参考書(「農学基礎セミナー」など)で知識を肉付けする
- もう1回過去問集を解く→再度ミスった設問に印をつける
地方上級の場合は、過去問集を何周も解くだけで、ある程度の点数は取れます。
高得点を目指すひとは、「農学基礎セミナー」などの参考書を読み込むのと、点数がさらに伸びます。※オススメの参考書は後ほどくわしく解説!
また、国家公務員試験を併願するひとも、【過去問集】+【「農学基礎セミナー」などの参考書】で対策するのがオススメ。
国家公務員試験の専門は、過去問集だけでの対策では不十分なので、参考書で知識の肉付けをしましょう。
農学基礎セミナーを読み込んで試験を受けたところ、「農学基礎セミナーからそのまま出てる!」と思ったことを今でも覚えています。
専門で高得点を狙いたいひと、国家公務員試験も併願しているひとは、「農学基礎セミナー」で知識を付けることをオススメします。
私が使っていた参考書で、オススメのものはコチラ↓↓
- 技術系新スーパー過去問ゼミ 農学・農業
- 農学基礎セミナー:作物栽培の基礎
- 農学基礎セミナー:野菜栽培の基礎
- 農学基礎セミナー:果樹栽培の基礎
- 農学基礎セミナー:草花栽培の基礎
- 農学基礎セミナー:害虫・雑草防除の基礎
- 農学基礎セミナー:土と微生物と肥料のはたらき
過去問集としては、公務員試験の参考書としておなじみの「スー過去」を使っていました。
スー過去は、なんといっても問題数が多いのが嬉しいポイント。
また、出題傾向を分析してくれているので、何に重点をおいて勉強すべきかがパッと分かります。
知識の肉付けのために使っていた参考書は、「農学基礎セミナー」シリーズの本です。
このシリーズの参考書は、農業高校生むけの教科書と同じ内容になっているので、むずかしくないのが嬉しいポイント。
イラストや写真も多いので、「専門知識に自信がない・・・・・・」という人もスラスラ読める本ですよ◎
農学基礎セミナーシリーズのうち、「○○栽培の基礎」の4冊はとくに重要。
栽培系は出題数が多い傾向にあるので、専門の点数を伸ばしたい人には必須の本です。
地方上級を受験したあと、「栽培系を重点的に勉強しておいて良かった!」と強く感じました。
【農業職のひと専用】教養試験の勉強のやり方
つづいては教養試験の勉強のやり方を解説します。
範囲が広くて対策のしかたに悩む受験生も多いはず。
ここでは、【文章理解】【数的推理・判断推理・資料解釈】【社会科学・人文科学・自然科学】の3つに分けてお話しします。
文章理解の勉強方法
まず文章理解の勉強のやり方から。
文章理解に苦手意識をもっている人は、過去問を毎日2問以上解きましょう。
ここでは「毎日」少しずつ解くのがポイント。「週末にまとめて10問」では勉強の効果が現れにくくなってしまいます。
長文読解や英文が出題される文章理解では、日頃から長文になれておくと、本番でテンパらずに落ち着いて文章を読むことができます。
わたしも文章理解に苦手意識があり、いったん「分からない」スイッチが入ると頭が真っ白になってしまうタイプでした・・・・・・。
毎日コツコツ長文・英文に触れたことで、本番はテンパることなく落ち着いて解答できました。
数的推理・判断推理・資料解釈の勉強方法
つづいては、数的推理・判断推理・資料解釈です。
多くの受験生を悩ます科目ですよね。
問題のテイストが独特なので、スピーディーに解くには「コツ」が必要。
問題をスラスラ解く「コツ」を身に付けるには、以下の方法で勉強するのがオススメです↓↓
- 参考書で解法を覚える
- 解法が分かってきたら、参考書の例題を自力で解く
- 参考書を何周も解いて、解法を身につける
- 過去問集を解いてみる
- (時間があれば)過去問集を何周も解く
こんな感じです。
取りかかりは過去問集ではなく、解法を身につけるための参考書です!
私オススメの参考書を紹介しますね。
- 畑中敦子の判断推理 ザ・ベスト NEO
- 畑中敦子の数的推理 ザ・ベスト NEO
- (畑中敦子の資料解釈 ザ・ベスト NEO)
決して畑中先生のまわし者ではありませんが、本当に畑中先生の参考書はわかりやすいです。
これらの参考書を何周もやってから過去問集を解くと、びっくりするくらい解けるようになるはずです。
過去問集は「過去問500」でも何でも大丈夫です。
社会科学・人文科学・自然科学の勉強方法
文章理解や数的推理・判断推理ほど重要ではありませんが、ノー勉はキケンです。
これらも、毎日少しずつでいいので、参考書を使って暗記していきましょう!
オススメの参考書は、
- 速攻の時事(青色の表紙のほう)
- 新・光速マスター 社会科学
- 新・光速マスター 人文科学
- 新・光速マスター 自然科学
どれもサイズが小さく、持ち運びしやすい参考書です!
なので、スキマ時間の勉強にももってこいです!
【面接】他の受験生と差をつける対策
面接試験といっても、さまざまなスタイルの面接があります。
- 個別面接
- 集団面接
- グループディスカッション etc.
まずは受験案内を見て、受ける自治体の面接方式を確認しましょう!
どの面接方式でも必要な対策は、
- 志望した理由
- 地方公務員になってやりたい仕事
- 学生時代に力を入れて取り組んだこと
- 卒論の概要
- 併願先(正直に!)
この5つをノートにまとめましょう。
自分の思いや裏付けエピソードを、できるだけたくさん書き出します。
ノートにまとめた内容を、実際に声に出してしゃべる練習もします。
この「実際にしゃべって」アウトプットする練習はとっても大事です!
なぜなら、面接では黙り込んでしまったらおしまいだからです。
緊張してうまく喋れなかったら、「すみません、緊張してて・・・」と言えばいいんです。とりあえず喋りましょう。
「自分はこんな経験や能力がある!だから自分を雇うとこんな良いことがあるよ!」とアピールできるようなエピソードがあると更に◎ですね。
論文試験はどうやって対策すればいい?
最後は小論文の対策です!
ポイントは下の2点です。
- 時間を意識して書く練習をする
- 1回でいいから添削してもらう
書く練習をするときは、必ず時間をはかりましょう!
そのときに、構成を練るのに○分、前半が書き終わるまで○分・・・みたいな感じで、時間配分を決めておくと焦らずに書けるのでオススメです。
そして、1回でもよいので誰かに添削をしてもらうとよいです。
できれば、小論文対策をしてくれる予備校や講座がよいですね。
数千円/1回で添削してくれるオンライン講座もあります。
添削してもらうと、自分の書き方の癖に気付けたりするので合格へ一歩近づけますよ!
何回も利用すると高額になってしまうので、個人的には1~2回でOKと思います。
さいごに
この記事では地方上級の試験対策について解説しました。
地方上級は受験する自治体によって、試験方法が他と違ったり配点比率が独特だったりします。
勉強期間が長く、不安になることも多いと思います。
その不安を払拭するためにも、
- 下調べして勉強計画をしっかり立てる
- なるべく計画どおり勉強する
この2点が大事です。
計画を立てて、その計画どおり勉強できれば、試験当日の自信へとつながります。
皆さまが最終合格でき、笑顔で入庁できることを願っています。