こんにちは!元公務員のろびんそんです。
長時間労働や職場のハラスメントに悩む公務員は、一度は「病気休暇」や「休職」が頭によぎったことがあるのではないでしょうか。
しかし病気休暇や休職を選択するのは、とても勇気のいること。
診断書があれば休職できるのかな?
給料はどうなるんだろう?
これまで病気休暇や休職の経験がないと、不安に感じることが多いですよね。
そんな方に向けて、休職経験のある元公務員の私が、休職中の給料を中心に解説していきます。
- 「休職」は「病気休暇」とはココが違う!
- 公務員が休職すると給料は80%になる
- 80%給料が終わると傷病手当金の支給に切り替わる
- 休職中の公務員のボーナスはいくら?
この記事を書いた私は、元公務員。メンタルで3か月病気休暇を取ったあと、約1年休職しました。
私が休職したときの経験も交えて解説していきます。
この記事では、メンタルなどの私傷病で休職する場合を前提として解説しています。裁判中や公務災害による休職などは対象としておりません。
「病気休暇」と「休職」の違い
メンタルで休むとなると、「病気休暇」や「休職」というワードが頭に浮かぶ公務員が多いですよね。
何となーく分かっているものの、病気休暇と休職の違いをしっかり説明できる人は意外と少ないです。
ここでは、病気休暇と休職の違いを改めて解説していきます。
両者の違いを一覧表にしたものがコチラ↓
病気休暇 | 休職 | |
100%出る | 給料 | 80%出る (1~2年間のみ) |
3か月間まで | 期間 | 3年間まで |
少ない | 提出書類 | 多い |
原則しない | 職場との連絡 | する |
病気休暇と休職の大きな違いは、やはり給料。
病気休暇は有給休暇の1つなので、出勤しているときと同様に給料が出ます(通勤手当は出ません)。
有給休暇でありながら3か月間休み続けられるのは、さすが公務員ですね。大企業でもこれほど長い病気休暇はめったにありません。
一方、休職は「あなたを勤務させません」という辞令により休みます。休暇ではないので、病気休暇とは明らかに異なります。
休職であれば本来は無給扱いになるのですが、公務員の場合は給料の80%が支給されます。
その他にも病気休暇と休職とで異なる部分は多いのですが、申請するときの提出書類が気になる方も多いのではないでしょうか。
病気休暇も休職も経験したことのある私が、難しい法令を分かりやすく解説した記事も書きました。
申請するときの提出書類や手続きがイマイチ分からない!という方はぜひご覧ください↓
公務員は休職しても給料の80%がもらえる
公務員が病気・ケガで働けなくなったときの保障はとても厚いもの。
うつ等で休職になったときの給料がどうなるのか、詳しくみてみましょう。
80%給料は1年間まで
公務員がメンタルで休職できるのは3年間までです。
そのうち1年間だけは給料の80%が支給され、その後は無給期間となります。
自治体によっては80%給料が2年間まで貰えるところもあり、公務員の保障がいかに厚いかが分かりますよね。
今の給料の80%が支給されるので、3か月間の病気休暇を使い切った後の生活も保障されます。
収入が大きく減ると、焦って復職したことで体調が再度悪化することも考えられます。ある程度収入が保障されていることで、安心して治療に専念することができますね。
手当も80%で支給される
給料が80%になることは分かっているものの、各種手当はどうなるのか知らない方も多いですよね。
基本的に、住居手当や扶養手当などの手当系も80%になります。
うつで休職になったときに支給される手当はコチラ↓
地域手当 | 80% |
扶養手当 | 80% |
住居手当 | 80% |
期末手当 ※勤勉手当は支給なし | ~80% (休職期間により異なる) |
寒冷地手当 | 80% |
80%とはいえ、休職中に手当まで貰えるのはありがたいですよね。
私は休職中も賃貸アパートに住んでいたので、住居手当(家賃補助)の80%がもらえたのは助かりました。
一方、以下の手当は支給されないので注意です。
- 通勤手当
- 勤勉手当
- 管理職手当 等
出勤していない状態なので、通勤手当が支給されないのは想像つきますね。
管理職の職員は管理職手当も0になります。
そして、ボーナスを構成する勤勉手当も支給されません(期末手当は支給されます)。
休職中のボーナスについては、すこし複雑なので記事の最後の方で詳しく解説します!
80%給料の期間が終わると、給料の3分の2がもらえる
公務員は3年間まで休職することができますが、そのうち80%給料が受け取れるのは1年間だけ。
残りの2年間は無給期間となります。
ですが、無給期間の生活を保障するため、「傷病手当金」として給料の3分の2が共済組合から支給されます。
傷病手当金の支給額や支給期間を詳しくみていきましょう。
「傷病手当金」の支給額はいくら?
傷病手当金の支給額は、以下の計算式で求めます。
傷病手当金支給額(1日)=標準報酬月額の平均額 × 1/22 × 2/3
「標準報酬月額の平均額」は、支給開始日の属する月以前の直近12か月の標準報酬月額を平均した金額です。
【例】令和6年9月1日から受給する場合
「標準報酬月額の平均額」は、令和5年10月~令和6年9月の標準報酬月額を平均した金額となります。
標準報酬月額が30万円くらいの公務員であれば、傷病手当金の受給額は9000円/日くらいと思っておきましょう。
「傷病手当金」の支給期間は最長で1年6か月
傷病手当金の支給期間は、勤務できなくなった日から起算して4日目から最長1年6か月までの間です。
公務員の場合、傷病手当金を受給する前に病気休暇と休職で休むことができますよね。
なのでイメージとしてはこんな感じ↓
80%給料の後から傷病手当金の支給が始まります。
※傷病手当金の支給は1年6か月までですが、その後6か月間も引き続き休職する場合は「傷病手当金附加金」という手当金の支給が始まります。
次の段落で「傷病手当金附加金」を詳しく解説します。
傷病手当金の支給が終わると「傷病手当金附加金」が支給される
「傷病手当金附加金」は、傷病手当金の支給期間が経過した後も、引き続き同じ病気で勤務できない場合に給付されます。
支給額は傷病手当金と同じで、支給期間は6か月間となります。
ただし、休職期間が通算して3年を経過した場合、傷病手当金附加金は支給されません。
休職中の公務員にはボーナスは支給されない?
休職している公務員でも、満額ではないもののボーナスは支給されます。
そもそも、公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」で構成されていますよね。
休職している場合、期末手当と勤勉手当の扱いはそれぞれ異なるんです。
休職中の公務員のボーナスは一概に【普段のボーナスの○%】と言えず、複雑。期末手当と勤勉手当に分けて解説していきます。
休職中の期末手当
期末手当は、休職中でも支給されます。
有給の休職期間(=80%給料の期間)であれば支給されますが、無給期間(傷病手当金・傷病手当金附加金の期間)は支給されません。
休職しているときの期末手当は、以下の計算式で求めます。
休職中の期末手当 = 基礎額 × 期別支給割合 × 在職期間率 × 休職給率(80%)
基礎額とは、給料の月額に扶養手当や役職による加算などを合わせた金額。
期別支給割合は2024年現在、6月期の期末手当も12月期の期末手当も【1.225月】となっています。
在職期間率は6か月フルで在職していれば100%ですが、休職している人は休職期間によって異なります。休職中の人の在職期間は【6か月-休職期間の2分の1】で求められ、在職期間別の支給率はコチラ↓
在職期間 | 支給率 |
6か月 | 100% |
5~6か月 | 80% |
3~5か月 | 60% |
3か月未満 | 30% |
基準期間内(冬のボーナスであれば6/2~12/1までの6か月間)のうち、6か月間の休職だとしても60%となり、期末手当上はフル在職の6割程度と見なされるイメージ。
休職給率は、メンタルで休職する場合80%となります。
基準期間をフルで休職していたとしても、通常時の半分くらいの期末手当が支給されることになります。ボーナスは期末手当と勤勉手当の合計額で振り込まれるので、いつものボーナスの4分の1くらいはもらえるということ。
休職中なので多くはありませんが、お小遣い程度はもらえるイメージですね。
休職中の勤勉手当
休職中の勤勉手当は一切支給されません。
勤勉手当の基準日(6/1 or 12/1)において休職中の職員は【支給対象外】になるからです。
有給(80%給料)の休職・無給の休職に関係なく0です。
通常、ボーナスは期末手当と勤勉手当の合計額で振り込まれます。有給(80%給料)の休職者が期末手当だけを受け取れることを考えると、振り込まれる金額は最低でも、通常時の4分の1くらいは受け取れるということ。
しかし、無給休職期間に入ると勤勉手当だけでなく期末手当も支給されません。同じ休職でも、有給か無給かで給与面の待遇は大きく異なりますね。
まとめ
公務員が休職したときの給料について解説しました。
- 病気休暇と休職は全く異なる
- 休職中は、1年間まで給料の80%が支給される
- 80%給料期間中は、一部の手当も80%になる
- 80%給料期間が終わると、無給となり「傷病手当金」等が支給される
- 休職中のボーナスは、満額ではないが支給される
- 無給期間に入るとボーナスも支給されない
長時間労働やハラスメントなどで「公務員やめようかな・・・」と思っている方。一人で悩んで結論を出そうとしていませんか?
公務員という経済的安定を手放して後悔しないために、公務員のうちに考えていただきたいことを↓の記事にまとめました。ぜひご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。