こんにちは!元公務員のろびんそんです。
公務員は安定した職業の代表格として知られています。
公務員を目指している人も、いま公務員の人も、安定しているという理由で公務員を選んだ人は多いのが事実。
しかし「公務員=安定」と断言できたのは少し前まで。
最近では「公務員=安定」が崩壊しつつあります。
この記事では「公務員=安定」とは言えなくなってしまった理由を中心に、以下の内容を解説していきます。
- 世間から「公務員=安定」と言われている理由3つ
- 公務員が安定しているとは言えない理由3つ
- 安定志向の人が考えるべきこととは?
この記事を書いた私は、元県職員。公務員を実際に経験してみて分かったことも織り交ぜながら解説します。
この記事を読めば、後悔のない職業選択をすることができますよ◎
なぜ公務員は安定と言われるのか?
まずは、公務員が安定していると言われる理由から解説していきます。
- 年齢とともに必ず給料が上がり続ける
- 社会的信用が高い
- 休暇制度が整っている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年齢とともに必ず給料が上がり続ける
公務員であることの最大のメリットは、年齢とともに必ず給料が上がり続けることです。
「年功序列」とも言ったりしますね。
公務員の給料は、主に勤続年数や年齢によって決められます。
そのため、若い頃は民間企業の人たちよりも給料が低く感じますが、公務員を長く続ければ続けるほど給料は上がり続けます。
公務員でいる限り給料が上がり続けることは確約されたようなものですので、収入面での安定性はあると言えます。
社会的信用が高い
どんな大企業よりも社会的信用が高いのが公務員。
公務員になった直後では、「社会的信用が高い」という恩恵は感じづらいです。
ですがトップクラスの社会的信用の高さで、
- ローンの審査が通りやすい&優遇金利が適用される
- クレジットカードの審査が通りやすい
- 賃貸住宅の審査が通りやすい
といった恩恵を受けることができます。
公務員というだけでこれだけの恩恵が受けられるのは嬉しいですよね。
休暇制度が整っている
公務員の休暇制度は十分すぎるくらい整っています。
超ホワイトな大手企業でなければ、公務員の休暇制度を超えることはできないくらい。
特に給料が100%保障される有給休暇の種類・日数が多いです。
今でも十分すぎる公務員の休暇制度ですが、年々バージョンアップしています。
- それぞれの休暇の日数を増やす
- 休暇が取れる条件を緩和する
- 今までなかった休暇を新設する
今後はさらに休暇制度が整っていくと思われますので、有給でたくさん休める公務員は恵まれていると言えます。
公務員は安定した職業とは言えない理由
つづいて、公務員が安定しているとは言えない理由を解説していきます。
すべて元公務員の私が実際に感じたことです。
- 長時間労働を強いられる可能性が高い
- 水面下でハラスメントが横行している
- 民間企業への転職のハードルが高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
長時間労働を強いられる可能性が高い
最近では公務員の長時間労働がテレビなどで報道されるようになりましたが、まだ「9時-5時」のイメージを持つ人もいますよね。
正直、公務員の残業の多い・少ないは部署によりますが、常に長時間労働の危険性と隣り合わせであると思っておくとよいです。
初めは残業の少ない部署にいても、次の年に激務部署に行く可能性は十分あります。
そして厄介なのが、長時間労働を美徳とする風潮。
- どうがんばっても勤務時間内に仕事が終わらず残業する人
- 日中ダラダラ仕事をして残業する人
残業する人は主にこの2パターンですが、2番目のダラダラ仕事をする人が公務員には多い印象です。
勤務時間に全力投球して定時上がりする人は、残念ながら高く評価されることは少ないです。
結局、効率的な仕事で定時上がりする人へ大量の仕事が押しつけられ、1番目の「どうがんばっても勤務時間内に仕事が終わらず残業する人」になります。
長時間労働が原因で身体を壊してしまう人は非常に多いです。
自分の健康を害する危険性と常に隣り合わせな状況は「安定」と言えるでしょうか?
水面下でハラスメントが横行している
公務員はハラスメントの多い職業の1つです。
私自身、パワハラもセクハラも何度か受けたことがあります。
最近になって、公務員のハラスメント事情がネットで拡散されることも増えました。岐阜県池田町の町長や愛知県東郷町の町長が役場の職員にハラスメントをしていたことも報道されましたよね。
残念ながら、ネットやテレビで報道されているハラスメントは、お役所では普通に見かけます。
俺らの若いころは、これくらい普通だった。
今はパワハラパワハラうるさ過ぎる。何も指導できないじゃないか。
管理職の職員がよく言うセリフです。
公務員が働く職場にハラスメントが多い理由としては、
- 古い慣習が根強く残っている
- コンプライアンス意識の低さ
ハラスメントをする人の多くは50歳以上の職員。「俺らの若いころ」では普通だったことを、20年経った今でも普通だと思っています。
50歳以上の職員ともなると管理職になっていることも多いですよね。管理職に対して若手職員が異を唱えることはなかなかできません。
そして「ハラスメント防止」と掲げている割には、職員ひとりひとりのコンプラ意識が低いのも事実。制度だけが先行してしまって、職員の意識がついてきていません。
民間企業の知人に、公務員時代のパワハラ上司の話をすると「典型的なパワハラだね。そんなん大手の民間企業だと一発アウトだよ」とよく言われていました。
古い慣習や職員のコンプラ意識はガラッと急激に変わるものではないので、「公務員になったらハラスメントはつきもの」と思っておくのがよいです。
長時間労働と同じように、ハラスメントが原因で身体を壊してしまう人もいます。
ハラスメントと常に隣り合わせの状況も「安定」とは言えません。
民間企業への転職のハードルが高い
公務員だと、民間企業への転職のハードルが高いと言われます。
公務員から民間企業への転職は可能なんですが、転職するには「収入面での安定性」や「高い社会的信用」を手放す覚悟が必要。
公務員時代に受け身で仕事をしていると、民間企業でも通用するスキルを身に付けられていないまま年齢だけ重ねてしまった・・・という人もいますよね。
転職したいと思うことは多くても、転職に踏み切れない公務員が多いのが事実です。
公務員を辞めたいと思うことが多い状況で、公務員以外の選択肢がないのは、真の「安定」ではないですよね。
安定志向の人が考えるべきこと
私も「安定しているから」という理由で公務員を選んだので、安定志向の人の気持ちは分かります。
だからこそ、自分が求めている安定って何だろう?と深掘りして考えていただきたいです。
確実に上がり続ける給料や社会的信用、充実した休暇制度といった恩恵は、公務員になったら必ず手に入ります。
ですが、その恩恵は意外と簡単に失われます。
公務員であれば長時間労働やハラスメントが原因で病気になってしまう危険性と常に隣り合わせ。病気になって辞めてしまうと、当然公務員の恩恵を受けることはできませんよね。
そもそも健康を害してまで仕事を続けるのは「不安定」ではないでしょうか?
「公務員やめたい」と思っても、自分の市場価値を上げる行動をして公務員の安定を捨てる覚悟を決めない限り転職することもできません。
安定志向の人だからこそ、自分がどのような安定を求めているのか考えてみましょう。
まとめ
公務員は本当に安定しているのかどうか?について解説しました。
- 収入面での安定、社会的信用の高さ、充実した休暇制度により、公務員は安定していると言われている
- 長時間労働やハラスメントで身体を壊す危険性と常に隣り合わせ
- 「公務員辞めたい」と多く思う状況でも、公務員以外の選択肢がないのは不安定
- 自分が求めている安定とは何か?を考えることが大事
この記事を読んでくださった皆さんが、後悔のない職業選択ができることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。