こんにちは!元公務員の ろびんそん です。
公務員試験で出題される教養試験は、とってもクセの強い試験。
ちょっと勉強すれば高得点が取れるタイプの試験ではありません。
そのため、
地頭が良くないと、点数が取れないんじゃないの?
と、不安に思う受験生も多いですよね。
「公務員試験を受ける!」と決断しても、
教養って範囲めっちゃ広いし、どうやって勉強すればいいんだろう?
と、教養の勉強のしかたに悩む受験生も多いです。
この記事では、公務員試験のなかでも「教養」試験の概要・くわしい勉強方法を丁寧に解説します!
- 公務員試験の教養科目【一覧】
- 教養の合格点・ボーダーライン
- 【科目別】教養の勉強のやり方
- 「捨て科目」を作るのはアリ?
- 教養の対策でオススメの参考書
- 独学で公務員試験に合格するために大事なこと
この記事を書いたわたしは元公務員。
独学で以下3つの公務員試験を受けて、すべて最終合格しました。
- 国家公務員総合職
- 国家公務員一般職
- 地方上級
決して地頭が良いわけではなく、人一倍勉強には苦労しましたが、勉強のコツをつかんでからは、問題をサクサク解けるように。
この記事を読めば、教養試験の勉強のコツが分かり、合格へ近づくことができますよ◎
公務員試験の教養の科目【一覧】

教養試験の科目には、大きく分けて
- 知能分野
- 知識分野
の2種類。
「知能分野」と「知識分野」に分けて解説していきます。
知能分野(数的処理など)
1つ目の「知能分野」に分類される科目には、
- 数的推理
- 判断推理
- 資料解釈
- 文章理解
の4つがあります。
それぞれの科目の特徴をざっくり解説します。
数的推理
数的推理は、中学レベルの数学を少しひねったような問題。
- 濃度の計算
- 割合
- 速さ
- 場合の数・確率
などをイメージしてもらうと良いです。
2024年度の国家公務員一般職で出題された問題を見てみると、
出典:試験問題例 一般職(大卒)|国家公務員試験採用情報NAVIより引用
数学の知識があると、解き方が分かるのが数的推理。
それなりの出題数なので、「数学が苦手なんだよね・・・・・・」という受験生も対策が必須の科目です。
判断推理
判断推理は、複雑なパズルのような問題。数的推理とは違って、数学の知識は必要ありません。
かといって、ラフな気持ちで解けるような問題でもなく、論理的な思考で問題を解けるかどうかが試されます。
具体的には、
- 真偽
- 位置関係(東西南北など)
- 順序
- 試合(トーナメント戦、総当たり戦)
などの内容で出題されます。
2024年度の国家公務員一般職で出題された問題を見てみると、
出典:試験問題例 一般職(大卒)|国家公務員試験採用情報NAVIより引用
学校教育では習わないような分野なので、はじめは戸惑ってしまいますが、解法テクを習得すれば解ける問題ばかり。
数的推理と同じく、出題数が多い科目なので、しっかり対策して臨む必要があります。
文章理解
文章理解は、いわゆる「国語」や「英語」の問題。長文を読んで、選択肢の問いに答えていくスタイルです。
- 現代文
- 英文
- 古文(漢文)
の3種類が出題されますが、古文(漢文)は多くの公務員試験では出題されないor出題されても1問程度。
古文(漢文)はあまり勉強する必要はなく、現代文と英文の対策に時間を割きましょう。
英語、苦手なんだよなぁ・・・・・・
このように、英語アレルギーの人もいるかもしれませんが、文章理解の英文を「捨て科目」にするのはとても危険。
対策すればある程度伸びる科目なので、英語アレルギーの人も英語は捨てずに勉強しましょう。
この記事の後半で、英語が苦手な人むけに、英語の勉強のしかたも解説します!


次の段落からは、もう片方の「知識分野」の科目について解説します。
知識分野(社会科学など)
「知識分野」に分類される科目には、
- 社会科学(法律・政治、経済、社会事情など)
- 人文科学(日本史、世界史、地理、思想など)
- 自然科学(数学、物理、化学、生物、地学など)
- 時事問題
の4つがあります。
それぞれの科目をざっくり解説します。
社会科学
社会科学は、いわゆる「公民」や「政治・経済」で習うような知識が問われます。
中学や高校のテストとはちがい、時事ネタも併せて出題されるのが特徴。


範囲がかなり膨大ですが、社会科学で出題される範囲をすべて勉強するのはオススメできません。
社会科学は出題数が少ないので、がんばって勉強した割には点数にあまり反映されないからです。
皆さんの大切な勉強時間を社会科学につぎ込むのはやめましょう。
人文科学
人文科学は、いわゆる「日本史」「世界史」「地理」「思想」で習うような内容が出題されます。


社会科学と同じように、範囲が膨大な割には出題数が少ないのが特徴。
人文科学をがんばって勉強する時間があるのであれば、専門試験や教養試験の知能分野(数的推理など)を仕上げましょう。
自然科学
自然科学は、高校で習う「数学」「物理」「化学」「生物」「地学」が出題されます。


社会科学、人文科学と同じように、範囲が膨大なわりには出題数が少ないのが特徴。
「生物」と「地学」は暗記科目なので、スキマ時間に少し触れる程度の勉強であればやる価値はあります。(もちろん、まとまった勉強時間をつぎ込むのはNG)
ただ、「数学」「物理」「化学」は単純な暗記では太刀打ちできませんので、高校・大学が理系でなかった場合は、まるっと捨てるのもアリです。
時事
時事問題は、社会科学の科目の一部ではありますが、この記事では独立した科目として解説します。
時事では、最近の社会情勢から出題されます。NHKのニュースで流れてくる内容をイメージしてもらえると良いです。


しかし、ニュースを流して聞くだけでは、対策として不十分。
社会科学の出題数が多い試験をうける人は、参考書を使って対策をしましょう。
教養は5~7割くらい取れるようにしよう!


公務員試験は、「○点以上取れれば合格」のような、合格ラインは定められていません。
ですが、一般的には5~7割くらい取れれば合格ラインと言われています。
教養が3~4割でも合格できる!
国家総合職などの難易度の高い試験では、教養で高得点をとることは難しいです。
そんなときには、専門試験で高得点を狙うのがオススメ。
過去問を解いていて「教養ぜんぜん点とれない・・・・・・」という人でも、専門で8~9割とることができれば、教養が3~4割でも合格は十分可能。
わたしも国家総合職の試験では、教養は4割くらいしか取れませんでした。
その代わり、専門試験の対策をしっかりやっていたので、専門は9割以上とることができ、最終合格もできました。
「教養が苦手・・・・・・」と感じている人は、専門の対策を強化してみるのを強くオススメします!
教養で高得点をとるには「毎日少しずつ」の勉強で
教養試験には、単純な暗記でいける【ガチ知識系】と、知識だけでは解けない【スキル系】があります。
教養で高得点を取るためには、スキル系の科目で正答率を上げていくのが近道。
スキル系の科目で正答率を上げるためには、「毎日少しずつ」の勉強が肝になってきます。
スキル系の科目には、
- 数的推理
- 判断推理
- 文章理解
- 資料解釈
がありますが、これらの科目はいわゆる「一夜漬け」の勉強では対策できないのが特徴。
継続して勉強をつづけることで、問題を解くスキルが徐々に上がっていきます。


スキル系の科目は出題数も多いので、正しいやり方で対策すれば伸びる科目。
初めて過去問をみたときには、
こんな難しい問題解けるわけない・・・・・・
とショックを受けますが、勉強することで必ず解けるようになっていきます。
「毎日少しずつ」の勉強を継続して、合格を勝ち取りましょう!
【科目別】教養の勉強のやり方


教養の勉強のやり方をくわしく解説します。
ここで紹介する勉強方法は、わたしがすべて実践して効果を感じたやり方。
ライバルには知られたくなくて、ずっと隠してきた勉強法を公開します。
数的推理と判断推理をメインに勉強する
教養では、数的推理と判断推理をメインに勉強しましょう。
クセの強い問題なだけに、できることなら避けて通りたい気持ちは分かります。
ですが、数的と判断は出題数が多いので重点的に対策をしなければならない科目。
対策すれば伸びる科目なので、「解けるようになる」と信じて、めげずに継続して勉強しましょう!
そして、やみくもに過去問を解くだけでは、遠回りになってしまうんです。
正しい対策をすることで、クセ強な問題もスラスラ解けるようになります。
ここでの「正しい対策」とは、
- はじめに解法パターンを覚える
- 解法パターンを覚えたら過去問をとく
です。
はじめに解法パターンを覚える
いきなり過去問を解くのではなく、はじめは解法パターンを覚えましょう。
数的推理と判断推理は、がんばれば自力で解ける問題も多いです。
ですが、自力で解こうとすると、問題を解くのにかなり時間がかかってしまったり、むずかしめの応用問題が解けなかったりします。
解法パターンを覚えてから問題をといてみると、
この問題は、あの方法で解くタイプのやつだ!
と、問題をみた瞬間にわかり、スラスラと解くことができます。
公務員試験は、制限時間内により多くの問題をとくことが求められる試験。
解法パターンを覚えることで、最速で問題を解き進められるということです。
解法パターンを覚えるためにオススメの参考書も、後ほど解説します!
解法パターンを覚えたら過去問をとく
数的推理と判断推理の解法パターンを覚えたら、過去問をくり返し解きましょう。
解法パターンを覚えるための参考書だけでは、対策としては不十分。
解法パターン用の参考書は、問題数が少ないのでしっかり演習することができません。


じぶんが受ける公務員試験の過去問をとくことで、解法パターンを定着させるとともに、解法パターンの応用力も磨くことができます。
くり返し過去問を解くようにしましょう。
より詳細な勉強方法は、以下の記事で解説しています↓↓
出題数が少ない資料解釈は、数的推理や判断推理ほど力を入れて勉強する必要はありませんが、ノー勉はNG。
数的推理と判断推理が安定して解けるようになってきたら、資料解釈の過去問も解いて対策しましょう!
文章理解は1問でもいいので毎日解く
文章理解は、毎日1問ずつでもいいので触れるようにしましょう。
スキル系の科目なので、一夜漬けの勉強では得点しづらいことが特徴。
「問題を解く」ことに慣れておくことが重要です。


文章理解は、いわゆる「長文読解」形式で出題されますが、長文読解でやってはいけないことが、
いきなり本文を読む
ということ。
本文はものすごく長文で、すべて読まなくても問題は解けるので、
まずは選択肢から読む
本文では「筆者はどんな主張をしているのか」に注意して読む
を意識して問題を解くようにしましょう。
文章理解も、じぶんが受ける試験の過去問をくり返し解くことで、問題を解くスピードが上がっていきます。
しかし、文章理解の場合、くり返し解くことで解答を覚えてしまうこともあります。
「解答おぼえてきてるかも・・・・・・」という段階に入ったら、別の過去問集を解きましょう。
【地上と特別区】社会科学と時事はしっかりめに勉強する
地方上級や特別区など、社会科学が多く出題されるところを受ける人は、社会科学と時事をしっかりめに勉強しておきましょう。
数的推理、判断推理、文章理解の勉強が1~2周ほどできてからでOKです。
社会科学用の参考書を1冊もっておき、インプットとアウトプットを繰り返すことで暗記していきましょう。


時事の対策は、
- 日頃から政治・経済系のニュースをみておく
- 直前に時事の参考書で暗記
という流れで対策しましょう。
日頃からニュースを見ておくことで、参考書の内容が頭に入りやすくなります◎
国家公務員試験では、社会科学などの知識系はそれほど多く出題されないので、時事をスキマ時間に勉強する程度でOK。
人文科学と自然科学は捨ててもOK
人文科学と自然科学は、社会科学ほど出題されないので、「捨て科目」にしてしまっても大丈夫です。
わたしの場合、高校・大学で履修していなくて、専門試験でも課されない「人文科学」はまるっと捨てました。
まったく前提知識がない状態で勉強するのは、出題数が少ないことを考えるとコスパが悪いですよね。
人文科学や自然科学を「捨て科目」とすることで、他の教養科目や専門の対策に時間を割くことができます。
メリハリをつけて勉強していきましょう。
【独学むけ】教養でオススメの参考書


教養でオススメの参考書を解説していきます。
どの参考書も、じっさいに私が使って「この参考書のおかげで合格できた!」と思ったものばかり。
科目別に解説していきます。
【数的推理】オススメの参考書
数的推理の対策には、「畑中敦子の数的推理 ザ・ベストNEO」と過去問集(スー過去など)がオススメです。
- 畑中敦子の数的推理 ザ・ベストNEO
- 新スーパー過去問ゼミ7 数的推理
まずは解法パターンを覚えるために、「畑中敦子の数的推理 ザ・ベストNEO」を解き進めます。
この参考書は、図やイラストがふんだんに使われ、初学者でもカンタンに理解できる丁寧な解説。


クセの強い公務員試験を爆速でとくためには、まずはこの参考書で解法パターンを覚えましょう。
ひととおり解法パターンを覚えたら、スー過去などの過去問集で演習をかさねます。
演習を重ねることで、問題をとくスピードが着実に上がっていきますよ◎
【判断推理】オススメの参考書
判断推理の対策には、「畑中敦子の判断推理 ザ・ベストNEO」と過去問集(スー過去など)がオススメです。
- 畑中敦子の判断推理 ザ・ベストNEO
- 新スーパー過去問ゼミ7 判断推理
判断推理は、数的推理よりも「クセが強い・・・・・・」と感じやすい科目。


いきなり過去問集を解くのではなく、まずは解法パターンを覚えましょう。
数的推理と同じですが、解法パターンを覚えるための参考書として「畑中敦子の判断推理 ザ・ベストNEO」がオススメです。
クセ強な判断推理の問題でも、カテゴリーごとに解き方をマスターできます!
この参考書を何周も解くことで、
難問にぶち当たっても、あの解き方を応用するだけ!
と、パッと応用力を利かせることができます。
いきなり過去問集から始めるのではなく、まずは解法パターンを覚えましょう。
解法パターンを覚えてきたら、スー過去などの過去問集で演習をかさねます。
【文章理解】オススメの参考書
文章理解の対策には、過去問集(スー過去など)で過去問を解きまくるのがオススメです。
- 新スーパー過去問ゼミ7 文章理解
- (無敵の文章理解メソッド)
文章理解ではあまりクセの強い問題は出ませんが、難易度は大学入試レベル。
国語や英語が苦手だった人は、「無敵の文章理解メソッド」という参考書でコツをつかむのもオススメです。
この参考書をあわせて使うことで、効率的に問題が解けるようになります。
過去問集だけでは不安・・・・・・という人は、「無敵の文章理解メソッド」でコツをつかみましょう!
独学で公務員試験を合格するために大事なこと


公務員試験は範囲がめちゃくちゃ広い割に、試験の難易度がそこそこ高いことが特徴。
なので、すべてを完璧に仕上げようとするのは厳禁。
配点比率が高かったり、出題数が多い科目を重点的に勉強するのがポイントとなってきます。
メリハリをつけて勉強することは、時には不安を伴いますが、公務員試験では正しい勉強法。
採用する側も、いわゆる「要領のいい人」を採りたいと思っているからですね。
不安になって人文科学や自然科学を勉強しはじめたり、新たに参考書を何冊も買って不安をかき消したくなる時もきます。
ですが、「メリハリのある勉強」を最後まで続けた人が合格を勝ち取れます。
この先、勉強するなかで不安になった時は、
公務員試験は「要領のいい人」が受かる試験!
ということを思い出し、自分を信じてあげましょう。
まとめ
公務員試験の教養の対策について解説しました!
- 公務員試験の教養には、「知能分野(数的処理など)」と「知識分野(社会科学など)」の2種類ある
- 教養は5~7割くらい取れればOK
- 専門科目などで高得点できるのであれば、教養は3~4割でも受かる
- 【数的・判断】解法パターンを覚えてから過去問で演習をかさねる
- 【文章理解】過去問をときまくる
- 公務員試験に合格するには、メリハリをつけて勉強することが大事
小論文や面接でも、他の受験生と差をつけたい!という人は以下の記事も読むことで、最終合格に近づくことができますよ↓↓
最後までお読みいただき、ありがとうございました。