こんにちは!元公務員の ろびんそん です。
仕事を選ぶときの基準として、働きやすさを重視する人が増えてきました。
なるべく楽なところで働きたい!!
就活している人の中には、このように思っている人もいるのではないでしょうか。
楽な仕事として、多くの人がパッと思い浮かぶのが公務員。
ですが、「公務員=楽」という理由だけで公務員を選んでしまうと、実際に働きはじめてから・・・・・・
なんのために働いているんだっけ?
と、思い悩んでしまうケースもあります。
皆さんがこのような事態にならないために、この記事では、「公務員=楽」という理由だけで公務員を選んではいけない理由を解説していきます!
- なぜ「公務員=楽」といわれている?
- 【経験談】公務員が楽と感じたこと
- 【経験談】公務員は楽ではないと感じたこと
- 「公務員=楽」というイメージで、公務員を選んではいけない
私も大学生だったとき、安直にも「公務員ってラクそう!」という理由で、公務員を目指してしまいました。
公務員試験に合格したときの喜びは大きかったものの、採用された1年目から「なんのために働いているんだっけ?」と思い悩みはじめました・・・・・・。
私が公務員時代に苦しんだ経験をもとに、解説していきます。
公務員の仕事が【楽】といわれている理由
そもそも、公務員が楽と言われているのは、なぜなのでしょうか。
理由をみてみましょう。
- 公務員にはノルマがないから
- 残業が少なそうだから
- 有給休暇が取りやすいから
- リストラされるリスクが小さいから
- 家庭の事情を配慮してもらえるから
それぞれ詳しく解説していきます。
公務員にはノルマがないから
公務員にはノルマがないので、楽な仕事といわれています。
確かに民間企業では厳しいノルマが掲げられ、達成できなければ自社商品をポケットマネーで買わされたり、なんてことも。
ですが、公務員といえば事務手続きを淡々とする人という印象が強いです。
公務員がノルマ達成に躍起になっているイメージはないですよね。
住民の手続き・補助金の事務などなど。
マニュアルどおりに仕事をすれば給料がもらえる、と世間からは思われています。
残業が少なそうだから
公務員は残業が少なそう、というのも「公務員が楽」と言われる理由のひとつ。
最近では、国家公務員の残業の多さがメディアでも取り上げられるようになりましたが、まだまだ公務員=残業が少ないと思っている人は多いです。
私も公務員になる前は、
ろびんそん
民間企業は激務そうだけど、公務員って定時で上がれそう。
と勝手なイメージを持っていました。
ですが実際に公務員として働いてみると、イメージとはだいぶ違うことに気付いたんです。
公務員の残業については、以下の記事でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください↓
有給休暇が取りやすいから
有給休暇が取りやすいから、というのも公務員が楽といわれる理由の1つです。
公務員の有給休暇は、取得しやすいように整備が進んでいます。
- 年次休暇
- 夏季休暇
- 病気休暇
- 結婚休暇
- 不妊治療休暇
- 妊娠障害休暇
- 子の看護休暇 など
年に20日もらえる「年次休暇」以外に、たくさんの休暇がありますよね。
とくに、妊娠・出産・子育て系の休暇が、民間企業よりも充実しています。
民間企業よりも公務員の方が、休暇制度が整っていることから、「有給休暇が取りやすい」というイメージを持たれているんです。
現役の公務員からは、
制度を整えているだけで、ぜんぜん使える休暇じゃない。
と、ぼやきも聞きます。
制度化だけ進み、職員があまり使えていないという状況の自治体も多いです・・・・・・。
リストラされるリスクが小さいから
リストラされないのも、公務員が楽といわれる理由の1つ。
いちど公務員になってしまえば、約40年の雇用が保障されます。
重大な犯罪をしない限り、リストラされることはありません。
どんなに仕事ができない人でも、「あなたは仕事ができないから」という理由で辞めさせられることはないんです。
このような雇用の安定性は公務員の最大のメリットではありますが、一般社会からみると「公務員は楽」と言われる理由の1つとなってしまっています。
家庭の事情を配慮してもらえるから
職員本人の家庭の事情を配慮してもらえるのも、「公務員は楽」と言われる理由の1つです。
働くひとの多くは、
- 引越し
- 病気
- 結婚
- 妊娠・出産
- 子育て
- 介護
などのプライベートな事情を抱えていますよね。
時代が進むにつれ、民間・公務員関係なく「ワークライフバランス」を重視するような制度ができています。
民間企業でもワークライフバランスを大事にする風潮が高まっていますが、公務員は民間企業以上に、プライベートな事情も配慮するような制度が整えられています。
働く人にとってプライベートな事情も配慮してもらえることはありがたいですが、「楽」というイメージを持たれる理由になってしまいます。
公務員の仕事で「楽だな」と思ったこと
公務員を10年ほど経験した私が、じっさい公務員は楽なのか?楽ではないのか?を解説していきます。
まずは「公務員って楽かも?」と思ったことを挙げていきます。
仕事をしない人でも昇給・昇進していく
公務員が楽だと思った最大の理由は、仕事をしない人でも昇給・昇進していくこと。
公務員の中には、
- 与えられた仕事に手をつけない
- 出張先で仕事をせず、ひたすら休憩している
- 自分の仕事を人に押しつける
このような人たちがいます。
※もちろん、効率的に仕事をこなす優秀な人たちもたくさんいます
いわゆる「仕事をしない人」でも、人並みに給料は上がっていき、人並みに昇進していってしまうんです。
仕事で成果を出さなくても昇給したり昇進したりするので、公務員は楽と感じましたね。
有給休暇が取りやすい
世間のイメージどおり、有給休暇が取りやすかったです。
有給休暇が取りやすい!と感じたのは・・・
- 周りの職員が、有給休暇をたくさん取っている
- 上司が休暇の取得日数を目標化している
以上の2つが大きな理由。
やはり周りが有給休暇をたくさん取っていると、自分も取りやすくなります。
私は異動により複数の職場を経験しましたが、どの職場も休暇をたくさん取る人が多かったです。
「休み取りづらいなぁ」なんてことは感じたことありません。
もう1つの理由としては、上司が休暇の取得日数を目標化していること。
自分の上司・その上の上司が、
部下の休暇の取得日数を○日以上とする。
みたいな目標を立てることがよくありました。
休暇の目標日数「15日」にしておいたから、計画的に休んでね。
と、年度初めに上司から言われたこともあります。
このような上司がいると、休みやすいと思えますよね。
家庭の事情を配慮してもらえる
こちらも世間のイメージどおり、家庭の事情に配慮してもらえる、という点。
冒頭でもお話ししたとおり、公務員には十分すぎるくらいの休暇制度があります。
その中でも、結婚・妊娠・出産・育児関係の休暇がとくに充実しているんですね。
民間企業では「休業」になってしまい、給料が100%保障されないような状況でも、公務員では「休暇」で給料が100%保障される制度はたくさんあります。
将来、子どもを産んで育てることを考えたら「公務員」がいちばん!
と言って、公務員へ転職してくる女性が多いくらい、公務員は家庭の事情が配慮されやすいです。
公務員の仕事で「楽ではないな」と思ったこと
「公務員=楽」と思うこととは反対に、「公務員は楽ではない」と思うこともありました。
ろびんそん
公務員って大変じゃん!全然イメージと違うんだけど・・・
と私が思ったことを挙げていきます。
公務員でも部署によってはノルマがある
楽ではない理由の1つめが、公務員でもノルマがあること。
「公務員にはノルマがない」という世間のイメージとは真逆ですよね。
私も、公務員になってノルマに苦しめられる日が来るとは、想像もしていませんでした。
具体的に、どんな仕事にノルマがあったのかと言うと・・・・・・
国や自治体が進める施策を、自分の担当する地域の事業者に普及させていく
という仕事。
国や自治体は、施策を進めるうえで達成目標を立てるんですが、その達成目標に準じた目標を、自分の担当エリアでも立てます。
イメージで言うと、
達成目標
○○地域での△△技術の導入率を◇%にする。
こんな感じの目標。
生ぬるい目標もありましたが、とうてい達成できないような厳しい目標もありました。
厳しい上司と厳しい目標(ノルマ)が重なってしまうと・・・・・・
目標達成できるように何とかしろ!
このように上司から詰められたこともありました。
私は、公務員を「営業」「ノルマ」とは無縁の職業と思っていたので、自分がノルマに苦しむとは思っていませんでしたね。
意外と肉体労働が多い
楽ではない理由の2つめは、意外と肉体労働が多いこと。
公務員といえば、マニュアルどおりに淡々と事務手続きをするイメージですよね。
私は技術職だったこともあり、フィールドワーク:デスクワーク=9:1の職場もありました。
いちばん肉体労働が多かった職場では・・・・・・
7:30~12:00 | JAといっしょに農家を巡回 |
12:00~12:30 | 中華料理店でランチ |
12:30~16:30 | JAといっしょに農家を巡回(つづき) |
16:30~17:30 | いったん職場へ戻って仕事を片付ける |
17:30~20:00 | 農家があつまって勉強会@JA |
この鬼スケジュールが1か月に何度もありました。
フィールドワークが平気な人であれば良いですが、日頃からインドアな私にはかなりキツかったです。
公務員でもこんなにフィールドワークやるんだ・・・・・・とギャップに苦しまないためにも、公務員の仕事研究は十分すぎるくらいしておきたいですね。
技術職で受験しようとしている人は、肉体労働が多そうな仕事かどうか、という視点で仕事研究してみましょう。
古い慣習が残っている
楽ではない3つめの理由は、古い慣習が残っていること。
私は、公務員になってから驚いたことがたくさんありました。
- 紙を湯水のように使う
- 残業していることを美徳としている
- パワハラなどのハラスメントが横行
- 形式ばった飲み会が多い
「昭和時代を舞台にした朝ドラみたい・・・・・・」と思ったことも多かったです。
紙の使用量を減らそう!というポスターが貼られているのに、「とりあえず紙に印刷」という空気感にギモンを覚えましたね。
公務員独特だなと思ったのが、2つめの「残業していることを美徳としている」こと。
同じ職場に、次の2人がいるとすると・・・・・・
- 効率的に仕事を終わらせて、残業しないタイプ
- ダラダラ仕事をして、いつも残業するタイプ
私が経験した職場では、どこも【2】タイプの人が評価されていました。
【1】タイプの人が高く評価されることは少なく、むしろ雑務を増やされます。
「残業している=がんばっている」という風潮があるからですね。
古い慣習が残る職場でよく見かけるのが、パワハラなどのハラスメント。
じっさい、私も上司からパワハラを受けたことはありましたし、同僚がパワハラを受けているところを見聞きしたこともありました。
おそらく「パワハラされても平気」という人は少ないですよね。
パワハラされると、自分の全てを否定されたかのような錯覚に陥ります。
振り返ってみると、私は上司からのパワハラによって、
自分は何のために働いているのか?
ということを深く考え、自分を大切にする選択ができたので、結果オーライ。
ですが、当時を振り返ってみると本当にツラかったのを思い出します。決して「楽」ではなかったですね。
パワハラ並みにツラかったのが、飲み会。
私は「ザ・内向型」な人間なので、大人数の飲み会が大の苦手でした。
場数をこなすことで少しずつ克服できたかな・・・?と思いきや、コロナ禍で飲み会がパタリとなくなりリセット。
コロナ禍が明けたら、採用1年目のときより飲み会が苦手になっていました。
飲み会は仕事ではないものの、私にとっては仕事の延長線上のイベント。
ろびんそん
なぜお金を払って、仕事のような話をして、嫌な思いをしなければいけないんだろう?
本当に苦痛でした。
「公務員=楽」というイメージだけで公務員を選んではいけない
やりたい仕事から公務員をめざす人もいれば、「楽そうだから公務員になろうかな」といって公務員をめざす人もいます。
公務員をめざす理由は人それぞれ。
しかし、「楽そうだから」という理由だけで公務員をめざしている人には、もう少し深く考えてほしいんです。
私のように苦しい思いをしてほしくないから。
私は「公務員って楽そう」と思い、公務員になりました。
とうぜん、公務員になってから「楽」ではないことが積み重なっていって、苦しくなりました。
当然ですよね。「楽」だと思って就職したのに「楽」ではなかったから。
ろびんそん
何のために働いているんだろう?
と、苦しみながら出勤していた自分へ、早めに助け船を出したかったですね。
私とおなじように、「公務員って楽そう」という理由で公務員をめざしている人は、いまいちど公務員の仕事を深く調べてみましょう。
すでに公務員の人は、公務員としてやりたい仕事があるのかどうか、考えてみましょう。
いつからでもやり直すことはできますが、若いほうが簡単にやり直せます。
まとめ
公務員の仕事の「楽」なところ、「楽」ではないところを中心に解説しました。
- 「公務員=楽」といわれている理由は、ノルマがない、休みが取りやすいなど
- 公務員として働いてみて「楽だな」と思ったのは、仕事しなくても昇給・昇進したり、休みが取りやすいこと
- 反対に「楽ではない」と思ったのは、厳しいノルマ、肉体労働、古い慣習
- 「公務員=楽」というイメージだけで、公務員を選んではいけない
- 公務員としてやりたい仕事があるのかを考える
「自分って、公務員に向いているのかな?」と不安に思った人は、以下の記事もぜひご覧ください。
公務員には向いていなかった私が、就活する前の自分に読ませたいと思って書いた記事です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。