こんにちは!元公務員のろびんそんです。
毎日定時で帰りたいから、公務員になりたい!
「残業が少なそうだから」「定時で帰れるから」などの理由で公務員を目指す方が多いですよね。
気持ちは大変よく分かります。
私も同じような理由で公務員をめざし、公務員(県職員)になりました。
ですが、公務員を目指す理由が「定時で帰りたい」だけでは、公務員になってから後悔する可能性が大いにあります。
この記事では、なぜ「定時で帰りたい」で公務員を選ぶのがオススメできないのか、詳しく解説していきます!
- 「公務員=定時上がり」とは限らない
- 公務員はどのくらい残業している?
- 定時ダッシュする公務員、実は少ない?!
- 定時ダッシュを貫いた筆者の経験談
- 「公務員=定時で帰れる」で公務員を選んではいけない理由
この記事を書いた私は元県職員。
「残業したくない」「定時で帰りたい」で公務員を選んだ私が、後悔したこと・公務員になる前に知っておきたかったことを中心に解説していきます!
「公務員=定時上がり」とは限らない
公務員はほとんどが定時で帰れていると思っている方が多いですが、現状そうではありません。
定時で帰ることができている公務員は少数派でした。
特に本庁勤務の職員ほど残業が多く、定時で帰っている人を見かけることはなかったです。
公務員界隈では、本省・本庁ほど残業が多くて出先機関では残業が少なく、定時マンは出先機関ほど多いというのはよく聞きます。
しかし出先機関でも残業がある部署は意外に多いので「出先機関=定時で帰れる」とは一概には言えません。
県庁の出先機関に勤務している職員でも、夜の10時を超えて残業している人はいました。
公務員は9時-5時のイメージが強いですが、現実は少し異なることを知っておくと「こんなはずではなかった・・・」となりづらいです◎
問題視されている公務員の残業・サービス残業
定時で帰ることができず、残業をしている公務員の実態を見てみましょう。
公務員の残業事情について、人事院が公表している「国家公務員給与等実態調査」と総務省が公表している「地方公共団体の勤務条件等に関する調査」をもとに解説していきます。
公務員の残業の実態とは?
国家公務員の残業の実態
まずは国家公務員の残業の実態から見ていきましょう。
令和5年に行った「国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員1人あたりの年間残業時間(平均)は・・・
- 本府省の職員:397時間/年
- それ以外の職員:179時間/年
やはり本省職員の方が残業時間が多いようです。本省職員だと平均で1月あたり33時間くらいの残業をしていることになります。
しかしこの数字はあくまで平均。まったく残業しない職員もいれば、この数字以上に残業している職員もいます。
ちなみに、本府省の職員で年間721時間以上の残業をしている割合は13.7%というデータも出ています。
本省勤務だと長時間労働を強いられる可能性は大いにあることが分かりますね。
地方公務員の残業の実態
つづいては地方公務員の残業の実態です。
令和4年度に行った「地方公共団体の勤務条件等に関する調査」によると、地方公務員1人あたりの年間残業時間(平均)は・・・
- 都道府県の職員:176.6時間/年
- 指定都市の職員:156.4時間/年
- 市町村の職員:137.0時間/年
国家公務員に比べると、地方公務員の方が残業時間は少ないですね。地方公務員の中で残業時間が多い順に並べると、都道府県>指定都市>市町村となります。
ですがこれもあくまで平均。
都道府県職員でも残業がほぼゼロの職員もいれば、市町村職員でもこの数字以上に残業をしている職員もいます。
公表されているデータから、国家公務員ほどではないものの、地方公務員も残業していることが分かりますね。
公務員のサービス残業は意外と多い
公務員でも、そうでなくても、残業した分の給料はちゃんと受け取りたいですよね。
公務員なんだから給与関係はしっかり管理されているはず!と入庁前の私は思っていましたが、残業に関しては違いました。
当時は勤務時間を管理する仕組みが存在せず、サービス残業が横行していました。
繁忙期だったときに、どうしても残業をしなければならず、上司へ残業の申請をしました。
その時に上司が放った言葉は「皆んな残業せずに仕事をしているんだから、勤務時間内に仕事を終わらせるように仕事をしろ」でした。
結果、上司へ残業を申請できずサービス残業をしました。
後から聞いて分かったことですが、周りの職員は残業をしていないのではなく、残業申請をせずにサービス残業をしていたとのこと。
残念ながらコレが普通なんだよ、と言われました。
こんな職場もありましたが、別の部署へ異動したときは・・・
残業してるでしょ?残業申請してよ~。
と言ってくれた上司もいました。
なので残業代が出るかどうかは上司次第なところもあります。
あとは予算的に余裕があるかで決まってきます。
予算が潤沢にある部署では残業申請させてもらえますが、予算がカツカツの部署では残業申請させてもらえないケースもありました。
公務員だからといって、実際に残業した分の残業代が必ず支払われる訳ではないことを知っておきましょう。
一方で、最近ではタイムカードやパソコンのログで勤務時間を管理するシステムが整備されてきています。今後サービス残業が減ることを切に願うばかりです。
公務員のサービス残業の実態については、以下の記事で詳しく解説しています。
【経験談】定時ダッシュを貫いた私に上司が言ったこと
公務員の残業について解説してきましたが、残業せずに定時でパッと帰る公務員も一定数存在します。
その1人が私、ろびんそんです。※繁忙期はさすがに残業しましたが、基本的には定時でした
私は県職員時代、定時で帰ることに命をかけていたといっても良いほど定時ダッシュを決めていました。
ヒマ部署のときもありましたが、割と忙しめの部署でも定時ダッシュを心がけていました。
(オススメしませんが)時にはお昼休み返上で働いたこともありました。
私が定時ダッシュをしていた主な理由は以下の3つ。
- (シンプルに)早い時間帯に帰宅したい
- 転職活動の時間を確保したい
- 1秒でも早く険悪ムードな職場から出たい
パワハラ上司との人間関係に悩んでいた時期は、1秒でも早く職場から脱出したいのと、転職活動に時間を充てるために定時ダッシュしていました。
職場の人間関係に悩んでいない時期にも定時ダッシュしていた理由は、シンプルに「早く帰りたい」でした。
早く帰宅して、家でのんびりする時間を大切にしていましたね。
しかし、定時ダッシュばかりする私に対して嫌味を言ってくる職員もいました。
上司からは・・・
あなたが全く残業しないせいで、仕事を頼みづらいんだけど。
他の職員も、あなたのことを「早く帰らなければいけない人」と思ってる。あなたに仕事を手伝ってほしいときに声をかけづらいんだと思うよ。
若い時は自ら進んで雑務を引き受けるべきなのに、逆のことしてどうするの?
同僚からは・・・
ろびんそんさんって、いっつも定時で帰れていいよね~。
と面と向かって直接言われました。
定時で帰るのを繰り返していると、私の経験談のように他の職員から嫌味を言われる可能性があります。
「協調性がない」と評価されたこともありました。
職場の人が全員定時ダッシュする場合であれば何も言われません。ですが、残業している職員が少しでもいる場での定時ダッシュは何かしら嫌味を言われるリスクはあります。
「公務員=定時で帰れる」で公務員になってはいけない理由
定時で帰れそうだから公務員になりたい、と思って公務員を目指す方も多いですが、オススメできません。
私自身、公務員をめざした理由の1つが「定時で帰れそう」でしたが、このような理由で公務員になって後悔したからです。
なぜ「公務員=定時で帰れる」で公務員になってはいけないのでしょうか。
【理由1】公務員でも残業するから
1つめの理由は、公務員でも残業するからです。
この記事のはじめの方でも解説しましたが、公務員でも残業はします。
晴れて公務員になっても、誰しもが激務部署に配属される可能性は十分にあります。
定時で帰れる部署もありますが、激務部署が意外と多いのも事実。
激務部署でなくても、周りがなんとなく残業しているから自分も残業、なんて人も多いです。
定時で帰れることを期待して公務員になったのにも関わらず、毎日残業をしていると「こんなはずではなかった・・・」と思ってしまいます。
【理由2】定時ダッシュする公務員は良い評価を受けづらい
2つめの理由は、定時ダッシュする公務員は良い評価を受けづらいことです。
残念ながら、良い評価を受けるのは【周りとたくさん雑談をしてダラダラ残業している人】であり、【何が何でも時間内に仕事を片付けて定時ダッシュする人】ではありません。
効率的に仕事をするために、仕事術をいっぱい学ぶぞ!
という優秀な方も、定時で帰っていては高く評価されません。
効率的に仕事して定時で帰るぞ!と意気込んでいる人は、公務員になったとき正当に評価されず「何かちがうなぁ」と思ってしまうこともあります。
【理由3】後々モチベーションが喪失する
3つめの理由は、後々モチベーションが喪失するからです。
定時で帰りたいがために公務員になっても、いざ残業続きになったときに「自分は何のために公務員になったんだっけ?」と立ち止まってしまうことがあります。
何のために公務員になったんだっけ?と考え始めると、どんどん仕事のモチベーションが下がっていきます。
しっかり自己分析をして公務員になった方は大丈夫ですが、「定時で帰りたい」以外に公務員になりたい理由がない場合はモチベーションが下がってしまう可能性があります。
公務員としてどんな仕事がやりたいのか?どのように住民の役に立ちたいのか?といった自己分析を行うことをオススメします。
まとめ
公務員は定時で帰れるのかどうかについて解説しました。
- 公務員=定時で帰れる、とは限らない
- 国家公務員も地方公務員も残業をしている(年間150~400時間ほど)
- 定時ダッシュし過ぎると周りから嫌味を言われるリスクもある
- 「定時で帰りたい」を理由に公務員になってはいけない←公務員は残業する、定時で帰ると良い評価をもらえない、後々モチベーションが喪失するから
自分ってそもそも公務員に向いているのかな?と思った方は、以下の記事も参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。