こんにちは!元公務員のろびんそんです。
理系の就職先の一つである技術職公務員。
理系は民間企業に就職する人が多いので、技術職の公務員の情報ってあんまり回ってこないですよね。
公務員試験の情報を調べても、出てくるのは行政職を前提としたウェブサイトばかり・・・。
私も受験生のとき、自分が受ける職種の情報があまりにも少なくて「もっと技術職のリアルな情報が知りたいのに」と思っていました。
同じように思っている人の悩みを解決すべく、技術職公務員のリアルな実態をお話しする記事を書きたいと思います。
この記事を書いた私は元公務員で、職種は農業職。「その他の職種」でまとめられてしまうほどのマイナー職種です。
この記事を読めば、技術職公務員の仕事や働き方の実態が分かり、漠然とした不安な気持ちがなくなりますよ◎
公務員の技術職にはどんな職種がある?
一口に「技術職」といっても、たくさんの職種があります。
国や多くの自治体が募集している技術職には以下の職種があります。
- 土木職
- 機械職
- デジタル・電気・電子職
- 建築職
- 化学職
- 物理職
- 薬剤・薬学職
- 農学職
- 造園職
- 農業土木職
- 林学職
- 水産職
- 獣医職
国や自治体によって職種の名前が違う場合もあります。
土木職はどこの自治体でも募集人数が多めの職種ですが、農業土木職や林学職の募集人数は「若干名」となりがちで少なめ。
そして技術職あるあるなのですが、自治体によっては一部の技術職を募集しないこともあります。
マイナーな技術職となると、今年募集していても来年募集するとは限らない場合もあります。
自分が受ける職種の募集人数は早めに確認しましょう。
各自治体のウェブサイトに、採用試験結果の過去情報が掲載されています。自分の受ける職種の募集人数がどのように推移しているのかを見てみると参考になりますよ◎
公務員の技術職=ホワイトとは必ずしも言えない
公務員は行政職よりも技術職の方がホワイト、という噂をよく聞きます。
ですが、技術職公務員=ホワイトとは限りません。
そもそも何故「技術職公務員はホワイト」と言われているのでしょうか。
技術職公務員がホワイトと言われる理由
技術職公務員がホワイトと言われる理由です。
- 財務系や人事系といった激務部署に配属されない
- 行政職よりもコンプラ意識が弱め
技術職公務員がホワイトと言われる大きな理由は、財務系や人事系といった激務部署に配属されないからです。
そもそも技術職公務員の配属先は、限られた範囲内であることが多いです。
私のような農業職は、農業系や産業労働系の部署しか配属されません。
財務系や人事系に行く可能性がある行政職に比べて、ホワイトな印象を持たれやすいんですね。
そして限られた範囲内でしか配属されない結果、技術職メインの部署は閉塞的な職場になってしまうことも。
閉塞的な職場では厳しい規則を守り切れていない人も多く、コンプライアンスに対する意識が弱くなっているところもありました。
行政職の公務員から「これだから技術職は甘いんだよな」と言われることも多かったです。
技術職公務員のブラックな部分
逆に、技術職特有のブラックな一面もありました。
- 技術系の部署でも激務部署はある
- 体育会系の考え方が浸透している部署が多い
- 男社会の部署が多い
技術職公務員を経験した人であれば全員が思っています。「技術系の部署でも激務部署はある」ということです。
特に本省や本庁などの中枢組織では、優秀な技術職公務員が夜中まで残業しています。
「技術職=残業が少ない」と思われがちですが、技術職でも激務部署はあるんですね。
技術職でも残業がかなり多い部署もあれば、少ない部署もあります。
残業の多い・少ないが部署によるという点は行政職と同じですね。
そして、技術職公務員が集まる部署では体育会系の考え方が浸透していたり、まだまだ男社会だったりします。
技術職公務員は、今でも男性の割合が多い職種。
最近では女性の割合も増えつつありますが、仕事上やり取りする関係団体が男性メインということもあり、昭和の部活のような雰囲気が残っています。
理不尽なパワハラ・セクハラ、行き過ぎた上下関係が苦痛に感じる人は、技術系の職場がブラックだと思ってしまいます。
技術職公務員=ホワイトという噂は鵜呑みにするべきではありません。
技術職公務員のメリット
技術職公務員になって良かった!と思ったことも多いです。
- 財務系や人事系の部署に配属になることがない
- 行政職より異動希望がとおりやすい
- 服務関係がゆるい職場が多い
技術職公務員がホワイトと言われる理由でもお話ししたことが、そのままメリットとなりますね。
技術職だと専門の部署内での異動となりますので、財務系・人事系などの部署への配属が回避できたり、異動希望がとおりやすかったりします。
ただし、技術系の部署でも激務部署は必ずあります。技術職=ホワイトとは言えませんので、「残業が少ない部署に行ける確率が高い」くらいの認識がベターです。
そして技術系の部署では服務関係がゆるくなりがち。
例えば休暇の申請のしかたとかですね。
本来は事前に申請しなければいけない休暇を、事後申請できちゃったり。
細かい服務のルールを守っていない(or 知らない)人が多い印象でした。
技術職ばかりが集まる職場にいたときは何も感じませんでしたが、行政職の多い職場に異動したときに「今までぬるま湯につかっていたんだな」と思いましたね。
技術職公務員のデメリット
技術職公務員ってキツいな・・・と思ったことも多いです。
- セクハラに遭遇することが多い
- 異動して1年目でも「その道のプロ」として見られる
昔に比べて女性の技術職公務員は増えてきたものの、まだまだ男社会です。
女性だとセクハラに遭遇することが多いのがネック。
私もセクハラを受けてきました。
ただ、セクハラは同僚の職員からではなく、関係団体の人たちから受けることが多かったです。
とくに飲み会の場が要注意。
他のデメリット(というか大変なこと)としては、異動して1年目でも「その道のプロ」として見られることですね。
行政職でも言えることですが、技術職だと顕著です。
技術職も行政職と同じように3年おきぐらいに異動しますが、異動先の仕事はこれまでの仕事とは全く別。
また1から勉強しながら仕事をすることになります。
そんな状況でも、異動初日から高度な内容の問い合わせが来ることもよくあります。
慣れてくると平気なのですが、初めての異動では「キツいな」と思ってしまうことが多いです。
知ったかぶりをして後々問題になるパターンもよく聞きます・・・。
まとめ
技術職の公務員の実態について解説しました。
- 技術職には、土木職や機械職など多くの職種がある
- 技術職は必ずしもホワイトとは言えない
- 技術職公務員のメリットは、財務系・人事系の部署に配属されないことや、服務関係がゆるい職場が多いこと
- 技術職公務員のデメリット(大変なこと)は、セクハラが多いことや、異動1年目でも「その道のプロ」として見られること
理系の皆さんは公務員以外にもたくさん選択肢があるはず。
情報収集を念入りに行って、悔いのない職業選択ができることを願っております!