こんにちは!元公務員の ろびんそん です。
公務員といえば、書類にハンコを押したり、諸々の手続きがデジタル化されていなかったり、などのアナログなイメージがありますよね。
新卒で公務員になった人や民間企業から公務員に転職した人は、公務員の紙文化で驚くことが多いです。
私も公務員1年目のとき、膨大な紙の量にカルチャーショックを受けたのを今でも覚えています。
何をするにも紙に印刷する公務員の働き方は、ペーパーレスが叫ばれる時代の流れに逆行していますよね。
この記事では、公務員の紙文化やデジタル化の課題を、元公務員の視点から分かりやすく解説していきます。
- 新卒で公務員になった
- 民間企業から公務員に転職した
- 公務員の働き方を知りたい
- 公務員の紙文化を改善したい
- 公務員のデジタル化の事情を知りたい
- 効率的に仕事をしたい
この記事を読めば、公務員の紙文化の課題・デジタル化が進まない理由を知ることができ、公務員の働き方に対するモヤモヤを解消することができますよ!
ぜひ最後までご覧ください。
公務員の紙文化の現状
まずは公務員の紙文化の現状をみていきましょう。
新卒で公務員になった人・民間企業から転職してきた人の多くが、公務員の紙ベースの働き方に驚きます。
公務員は何をするにも、「まず紙に印刷する」という行為が染みついているんですね。
例えば、
メールに添付ファイルがあれば、とりあえず印刷する。
→印刷した紙をバインダーに挟んでデスクの上に置く。
といった行為。
わたしも公務員を何年か続けて、「まずは紙に印刷する」クセを付けてしまってからは、印刷する必要のなかった資料まで印刷してしまったこともあります。
公務員には、1人につき1台のノートパソコンが配備されているのにも関わらず、「データで確認する」ことに慣れていないんですね。
私が入庁したての頃、別の課から送られてきたメールのことで、上司に相談しようとしたときのことをお話しします。
ろびんそん
○○補佐!先ほど△△課の人から届いたメールの件で、ご相談を・・・・・・
こんな感じで私は上司にお願いをしました。
すると上司は、
わかった。どれどれ?
と言って、手を差し出しました。
(えっ・・・・・・?)
相談する直前に、届いたメールを上司に転送した私は固まりました。
(メールを印刷して渡すってこと?パソコンの画面で見ないの?)
と、混乱したことを今でもよく覚えています。
けっきょく、紙で印刷したメール文面は何も書き込まれることなく、見終わったら古紙BOXへ捨てられました。
確かに、印刷した紙で見せた方が礼儀的には良いかもしれません。
相手は上司ですしね。
ですが、紙の使用量削減がこれだけ叫ばれている中、職員全員がこのようなやり方を続けていては、紙の使用量はそう簡単に減りません。
また、「まず紙に印刷する」ということ以外にも、公務員のアナログな働き方はまだまだあります。
- データで決裁するシステムがあるのに、データをすべて印刷して紙で決裁する
- Wordの校閲機能を使わずに、Wordを印刷したものに赤ボールペンの手書きで朱書きする
- Excelで作って印刷した資料なのに、数字の合計が正しいか電卓で計算してチェックする
どれもデータでやり取りすれば、資源や労力が無駄にならずに済む話ばかりですよね。
礼儀として紙に印刷して渡すことも大事ですが、同じくらい紙を使わない努力も大事。
限られた資源・労力を使っているという意識をもつことも必要です。
テレワークで公務員のデジタル化が進んだ?
つづいて、役所のデジタル化の現状を解説します。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、民間企業では積極的にテレワークが取り入れられるようになりましたよね。
民間企業の後を追うかたちで、役所でもテレワークが推奨されはじめました。
もともと在宅で仕事をする仕組みはあったものの、あまり在宅で仕事をする人がいませんでしたが、コロナ禍をきっかけに大きく変わりました。
それぞれの職場にテレワーク用の端末が配備されたのです。
テレワークをするための環境が整ったことは大きな変革だったのですが・・・・・・
テレワーク用端末の使い方がよく分からん。ぶあつい紙資料を持ち帰るのも面倒くさいしなぁ。
このように、
- テレワーク用の端末の使い方が分からない
- 大量の紙書類を持ち帰ることが前提
などの理由で、テレワークの環境が整備された後もテレワークをする職員はとても少なかったです。
そしてテレワークをする職員がいない状態が続くと、「1人あたり週に2回テレワークをすること」とノルマが出ました。
ノルマを課された後は、だんたんテレワークが浸透していきましたね。
しかし未だに・・・
家で仕事なんてできるか!仕事は出勤してするものだ!
という年配層がいるのも事実です。
なぜ公務員はデジタル化が進まないのか?
理由1:意思決定に時間がかかる
役所のデジタル化が進まない主な理由1つめは、公務員の世界では意思決定に時間がかかるから。
メール1本送るのにも、グループ員や上司の承認が必要だったりすることも多いです。
それも口頭での承認ではなく、メール文を紙に印刷したものを回して承認をとるスタイル。
上司が休みを取っていたりすると、そこで仕事がストップするわけです。
サクッと送れるはずのメールが、明日や明後日に持ち越され、
早くメールを送って知らせてあげたいのに!もーーー(泣)
と、もどかしい気持ちになる人は多いです。
スピード感をもって仕事ができないことに最初はイライラしていましたが、これがお役所。
何か問題が起こってからでは遅いので、事前に多くの人から丁寧なチェックを受けてから実行するのが公務員です。
お役所では、個人情報が絡む案件やお金が動く補助金を扱うからですね。
デジタル化を進めるときにも、多くの人の承認が必要となります。
民間企業ではスピーディーにデジタル化が進んでいくのに対し、役所ではデジタル化がなかなか進まない現状です。
理由2:自分でゼロから考える癖がついていない
役所のデジタル化が進まない主な理由2つめは、公務員の仕事柄、ゼロから考える癖がついていないことも挙げられます。
公務員はどんな仕事をするときも、
- いつぐらいに何をやるのか
- どのような手順で進めるのか
- どの書類を提出するのか
といったことを、あらかじめ伝えられた状態で仕事をします。
あるいは去年のファイルを見て仕事をしたり。
仕事のやり方がガチガチに決められているので、公務員はどうしても自分でゼロから考える癖がつかないことが多いです。
公務員は前例踏襲で仕事をするようなクセがついてしまっているため、デジタル化のような前例がない事案にぶつかってしまうと思考停止に陥ってしまいます。
引継書にも書いてなければ、去年のファイルにも書いていない・・・・・・。
デジタル化をスピーディーに進めるためには、決められたことをやるだけでなく、試行錯誤しながら新しい道を切り拓いていく力も必要。
普段から自分でゼロから考える癖がついていないと、新しいものを導入するときに戸惑ってしまいますね。
まとめ
この記事では、公務員の紙文化やデジタル化が進まない理由について解説しました。
- 公務員は「とりあえず紙に印刷する」という行動を取る人が多い
- テレワークが導入されても、なかなかテレワークが浸透していかなかった
- 【公務員でデジタル化が進まない理由1】意思決定に時間がかかる
- 【公務員でデジタル化が進まない理由2】自分でゼロから考える癖がついていない
今後さらにデジタル化が進んでいきますが、公務員の働き方はどうしても紙ベース。
このような公務員の働き方に「正直、嫌気が差しているんだよね・・・・・・」という人は、公務員以外の働き方も考えてみるのも良いですね◎